緊急避妊Q&A
2020年11月 公開
「あなたに知っていて欲しい緊急避妊のこと」
- 緊急避妊とは何ですか?
- 緊急避妊とは、あなたが避妊をしないでセックスしてしまったとか、コンドームが破けるなど避妊の失敗が起こったなどの場合に、妊娠を防止するという方法です。
その最も一般的な方法が、緊急避妊ピルと呼ばれるものです。時には、子宮内避妊具も使用されることがあります。
すべての緊急避妊法は、無防備なセックスが行われた後、数日以内に行われなければなりません。これは、大抵の女性にとって有効で安全な方法です。産婦人科医が、あなたにとって、最も適当と考えられる方法を選んでくれるはずです。 - 緊急避妊ピルとは何?
- 緊急避妊ピルとは、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を成分とした薬剤です。
- どうして、緊急避妊ができるのですか?
- あなたの月経周期のどの時期に、緊急避妊ピルが服用されたかによって作用の仕方が異なりますが、例えば排卵を抑制する、受精を妨げるなどが考えられます。妊娠の成立とは、受精卵が子宮内膜に着床することを言うのですから、いったん着床してしまったら、すなわち妊娠が成立した場合には、緊急避妊ピルが有効でないことはいうまでもありません。
- いつ緊急避妊ピルを服用するのですか?
- 最初の緊急避妊ピルは、無防備なセックスが行われた72時間以内(3日以内)に服用しなければなりません。
- 緊急避妊ピルを服用することで、どの程度の効果があるのですか?
- 緊急避妊ピルは妊娠を防止しますが、100%というわけではありません。正確に使用した場合でもおよそ0.7%に妊娠を防止できない場合があると言われています。仮に、緊急避妊ピルが頻繁に使用されたとしても、経口避妊薬を避妊目的で継続的に使用している女性に比べて妊娠率はかなり高くなります。したがって、この方法は経口避妊薬の代用とはなりません。
- 緊急避妊ピルは安全ですか?
- もちろんです。世界では、1970年代の半ば頃より、緊急避妊ピルを使用してきました。ただし、経口避妊薬についても同様ですが、服用してはいけない人や慎重に使用した方がよい人がいますので、不安な方は、処方される医師にお尋ね下さい。
- 緊急避妊ピルの副作用とは?
- 緊急避妊ピルを服用しますと、一時的ですが気持ち悪くなったりする場合があります。
- 緊急避妊ピル服用後、注意すべき事がありますか?
- 残念ですが、緊急避妊ピルが本当に効いたかどうかは、服用後すぐにわかるわけではありません。数日ないし数週間後に月経があって初めてわかるわけです。もし、予定月経が一週間以上遅れるようなことがあったり、心配なことがあれば、速やかにかかりつけの産婦人科医にお尋ね下さい。
- 緊急避妊ピルを服用しても効果がなく、妊娠してしまった場合はどうですか?
- 今まで知られている限りでは、異常妊娠であったり、赤ちゃんに異常があったりということはありません。
- 注意すべき大切なこと:
緊急避妊ピルを服用した後に、無防備なセックスが行われたとしても、それをも防止することができるわけではありません。妊娠を避けたいというのであれば、定期的な避妊法の使用を考えて下さい。 - どのように緊急避妊ピルを服用するのですか?
- 無防備なセックスが行われた後、72時間以内にできるだけ速やかに『ノルレボ錠1.5mg』あるいは『レボノルゲストレル錠1.5mg「F」』を服用して下さい。
- 留意事項:
無防備なセックスが行われてから72時間(3日)が既に経過していた場合には、緊急避妊ピルの効果が低下します。
他の方法(例えば、5日以内であれば銅付加子宮内避妊具を挿入する)について、医師と相談して下さい。 - 緊急避妊ピル服用後2時間以内に吐いてしまった場合、医師に相談して下さい。時には追加して服用する必要があります。 仮に嘔吐がピル服用後2時間を経過してからであれば心配はいりません。既に薬の効果を表していると考えてよろしいでしょう。
- 緊急避妊と性感染症
- 緊急避妊ピルと子宮内避妊具は、どちらもエイズを始めとした性感染症(例えば梅毒、淋病、クラミジア、ヘルペス)を予防することはできません。あなたがエイズや他の性感染症に感染していないかどうかお悩みでしたら、どうしたら、性感染症を防げるのか、治療法があるのかについて、かかりつけの医師に率直にお話下さい。
- 処方してくれる医療機関の検索はこちら(Dr.北村のJFPAクリニック)
- それ以外の医療機関の探し方→
こちらから緊急避妊薬を処方している施設を検索 インターネットや電話帳で行けそうな婦人科をみつけて、まずは電話で問い合わせてみましょう。 『ノルレボ錠1.5mg』あるいは『レボノルゲストレル錠1.5mg「F」』を処方してもらえることが確認できれば、そこでもOKです。- 性犯罪被害や性暴力被害(DVを含む)の場合
各地域に「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」が設置されています。それぞれ電話番号や相談受付時間などが異なりますので、詳細は下記リンクをご確認ください。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(一覧) - それ以外の医療機関の探し方→