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  • 心と体を整える「自律訓練法」、人との関わりを見つめる「交流分析」

    心と体を整える「自律訓練法」、人との関わりを見つめる「交流分析」

     今回は、11/28(土)に開催される第24回メンタルヘルスセミナー実践編に先立ち、本セミナーのテーマである「自律訓練法」と「交流分析」について紹介いたします。いずれも心身の健康支援に生かせる手法であり、支援者自身のセルフケアにも役立ちます。 ▼こんな経験ありませんか☑患者や相談者とのコミュニケーションに難しさを感じる☑同じ説明でも、伝わる人と伝わりにくい人がいる☑ストレス・悩みを抱える人たちに、具体的な解決法が提供できない☑忙しい毎日で、仕事が終わっても緊張感が抜けない・リラックスできない ▼「相手のため」になり、そして「自分のため」にもなる 患者さんや相談者の悩みに寄り添う支援者にとって、専門的な知識の提供だけでなく、セルフケアや相手との関わり方の技術を身に付けることも大切です。 交流分析では、自分と相手の考え方やコミュニケーションの傾向を知り、人との関わり方を見つめ直すヒントになります。 自律訓練法では、心身の緊張を自分で整える方法が身に付き、自分自身のセルフケアだけでなく、その方法を相談者に伝え、支援することができます。 自律訓練法と交流分析は、「相談者のため」にもなり、「自分のため」にもなる手法なのです。 ▼自分を知ることから、人との関係を考える‐交流分析とは?① 交流分析ってなに?交流分析は、1950年代にアメリカの精神科医エリック・バーンにより創始された自分発見のための方法・やさしい対人関係の科学です。交流分析の「交流」は、コミュニケーションを意味しており、構造分析、交流パターン分析、ゲーム分析、脚本分析の4つの基本理論があります(注)。 自分たちの心を3つの「自我状態」に分けて理解し、自身、そして相手の自我状態などによって、どんな行動パターンが考えられるか、その人の強み・弱みなどを客観的に把握することができます。(注)日本交流分析学会HPより(https://www.js-ta.jp) ②自分発見交流分析における自我状態は、CP;Critical Parent(批判的な親)、NP;Nursing Parent(養育的な親)、A;Adult(大人)、FC;Free Child(自由な子ども)、AC;Adapted Child(順応した子ども)に分けられ、代表的なのはエゴグラムを用いて自分のタイプと行動パターンを見つけることができます。自我状態を理解した上で人と関わることで、自身の自我状態の上げ方だけでなく、他者との関わり方を身に付けることができます。 ▼セルフケアケアに活かせる‐自律訓練法① 自律訓練法ってなに?自律訓練法は、1930年代にドイツの神経科医のシュルツが、科学的な催眠に誘導された人が腕や脚の温かさを感じるという報告例から、その感覚を自己暗示により生じさせ、催眠状態をつくることを考案しました(注)。リラックス状態を自分自身で作れるようになることで、緊張・不安の軽減、疲労回復、集中力を高める、身体の痛みや精神的苦痛が緩和されるといった効果があります。ただし、他者に実際に用いるには、まずは自分自身が正しい練習法により身に付けることが大事です。(注)日本自律訓練学会HPより(https://www.jsoat.jp/contents/aboutat) ②正しい公式により習得する自律訓練法は、基礎公式(安静練習)により気持ちを十分に落ち着けてから、身体の状態を感じる6つの公式によって進めて行きます。 呼吸を整え各公式にそって、部位に意識を向け反復暗唱し、自己暗示をかけることでリラックス状態をつくっていきます。 例:・第1公式(四肢の重感)「手足が重たい」①「右手(利き手)」に意識を向けて、右手の重さをただ感じる。②同時に、心の中で「右手が重たい」と唱える。次に「左手が~」→「右足が~」→「左足が~」と順番に暗唱を繰り返す。 ③環境なるべく静かな場所を選び、ネクタイやベルト、時計などの身体を締め付ける物は緩めます。また、空腹時は避け、気になる用事(トイレなど)は先に済ませておきます。 ④姿勢単純イス姿勢(背もたれのないイスに腰掛ける)、安楽イス姿勢(背もたれのある物に腰掛ける)、仰臥姿勢(ベッドや布団に上向きに寝た姿勢)などがあり、目を閉じるのはもちろんのこと、脚の置く位置などにも注意が必要になります。 ▼交流分析と自律訓練法をどのように医療の場で生かすか ①母子保健担当者交流分析では、エゴグラム(人の自我状態を5つのパターンに分類、そのパターンを図表化する)を活用し、人との接し方のクセを客観的に知る術を習得できるため、保護者一人ひとりにあった関わり方を学べます。また、自律訓練法を通じて、産前産後・育児によるストレスを抱える親に対して、心身のセルフケアによる支援につなげることができます。 ②思春期保健担当者交流分析では、思春期特有の悩みを持った子たちに、心から寄り添う関わり方を学びます。自律訓練法では、自分自身でリラックス状態をつくる方法を実習にて習得し、子どもたちの集中力の高め方や不安定な感情を安定させる支援につなげることができます。 ③成人・職域保健担当者更年期症状である自律神経の乱れや精神症状(イライラや不安感など)の緩和に自律訓練法は有効です。また、従業員の保健相談時の信頼関係の構築やメンタルヘルスのセルフケアにも活用することができます。 ▼「知る」から「体験する」、そして「身に付ける」へ今回は、自律訓練法と交流分析のイントロの部分のみをご紹介させていただきました。いずれも知識のみで現場で実践するのは難しいですが、自身で体験して身に付けることで、とても有効的な手法となります。そこで本会では、1日のセミナーで両方の知識のみならず技術を実習により分かりやすく学べるメンタルヘルスセミナーを開催いたします。ぜひ、新たな支援方法をお探しの方、そして自身のセルフケアを知りたい方は、ご参加ください。 ■開催日:2026年11月28日(土)10時~16時■講師:芦原 睦(芦原内科・心療内科 院長)■会場:KFC Hall&Rooms Room115(東京都墨田区)【資格等の更新について】・日本助産評価機構「アドバンス助産師」更新・再認証申請のための選択研修該当セミナー・思春期保健相談士更新対象セミナー(1カウント)申込リンクhttps://jfpa.manaable.com/login/925a7a38-a7a5-4261-a391-c01c024a4cef/detail

  • はたがや日和~JFPA相談室へようこそ~【871号】

    思春期・FP相談LINE/避妊のためのピル&アフターピル相談室 相談員 幸﨑 若菜  助産師としてのキャリアの大半を一次医療機関の産婦人科小児科病院で過ごし、フルタイム勤務の合間に 時間を見つけて細く長く相談員としてFPホットラインに携わってきました。 性教育が進まない日本で、次期学習指導要領の改訂の議論が行われている中でも「歯止め規定」は継続される見通しという報道を受けて、「がっかり」を通り越して「憤り」すら感じながらも、一方で学校の中では思うように性教育を進めることができなくても、地域の医療機関で、また専門職として、子ども・若者に正しい情報を伝える機会を作ればいいのだとも考えるようになりました。そのためにも子ども・若者が安心して過ごせる場であり、正しい情報にアクセスでき、SOSを受け止められる場所をつくりたいと思い、2年前の春に当時の勤務先で子ども・若者のための街の保健室の機能も持たせたユースクリニックを設置することができました。 JFPAでは、電話からLINEへと移行し、5年が経過しましたが、徐々に相談の件数は減っています。その要因には、Chat GPTなどの生成AIの利用によって問題が解決できている子どもたちもいるのだと推測します。そんな時代でも、LINE相談に相談してくれた若者に対して、相談員として正しい情報を届けるだけでなく、「相談できたことを認めること」「また困ったことがあれば相談していいこと」「LINE相談での限界もあり、ぜひリアルでつながれる医療機関を見つけてほしいこと」なども伝えています。 スマホやPCの中で困り事が解決できる若者も増えた半面、デマや間違った情報・古い情報も溢れており、その膨大な情報の中から何が正しい情報かを見極める力も必要になってきています。さらにはSNSやアプリの使い方によっては、犯罪に巻き込まれてしまう若者も増え、加害者として検挙される若者も増えており、社会の変化や若者のトレンドに大人や教育が全く追い付いていないと感じています。そのため、子ども若者への性教育の機会の提供だけでは、彼らの健康と権利を守ることができないと痛感し、彼らを支える保護者・支援者への支援もユースクリニックの活動の柱に据えました。保護者・支援者も性教育を受ける機会がなかったこともあり、何を子どもに伝えていいのか分からず、大人も学び、アップデートする機会を提供しましたし、支援者同士のつながりの中で若者を支える必要があると考え、教育や交流の場の機能も持てるようにしました。  私が取り組んできた街の保健室の取り組みは、もともと北欧のユースクリニックを参考にしたものであり、機会あるごとに「ユースクリニックいいですよ!」と発言してきたものの、実際に何がどういいのかをこの目で見てきたい!と思い、昨秋、ユースクリニック発祥の地、スウェーデンとデンマーク・オランダの若者支援について学ぶツアーに参加することができました。そこでの学びがあまりにも大きく、自分のこれからのキャリアについて考え、組織を離れる決断をし、現在はフリーランスになり、包括的性教育の導入・ユースクリニックの拡充・家族丸ごと支援の浸透を目指して、日々手探りながらも充実した日々を過ごしています。自分の信念を貫き他国の取り組みから学び、助産師である自分に何ができるかを考えて、今後もSRHRの普及・浸透、子どもの権利の定着を目指して、奮闘していくことが、きっと相談にも役立つと信じています。

  • 海外情報クリップ ピルや黄体ホルモンの使用とうつ

    子宮内膜症がある場合  ピルや黄体ホルモン剤は子宮内膜症の治療に広く用いられていますが、一方これらの薬を使用すると気分が不安定になる、あるいはうつの症状が出るなどで性生活の質が低下すると訴える女性がいます。イタリア、ミラノ大学臨床医学・公衆衛生学部門の研究者らは、内膜症を持つ女性に限ってこれらの薬が性生活にどの程度影響するのか検討するため、内膜症と診断された患者をピルまたは黄体ホルモン剤で治療された群と、プラセボまたは無治療/鎮痛薬だけ使用した群を比較した研究報告をレビューしました。検討された文献は、前向きコホート研究(イタリア2件、)、無作為化比較試験(中国2件、日本1件、イラン1件)、後方視コホート研究(米国1件)の計7件です。その結果、米国の研究を除く6件で無治療群に比べて治療群の性機能指数(FSFI)や性的苦痛尺度(FSDS)の悪化、気分不安定、性交痛の悪化、などは報告されませんでした。イタリアの2件ではFSFIとFSDSは有意に改善し、イタリア2件、中国2件、イラン1件合わせて5件で性交痛の有意な改善が示されていました。一方、米国の後ろ向き研究ではうつや気分変調が報告され、全体の約3割が服薬を中止していました。 FDAはピルによるうつ症状は使用開始から6か月の間に起こることが多いとしていますが、今回のレビューでは、開始後6か月間に精神的有害症状による服薬中止が報告されたのは米国の研究だけでした。世界13か国約2万人のピル使用者を長期追跡した報告では(De Corte、2025)、子宮内膜症のある場合のうつは全体の1.5%、無い場合は0.7%です。研究者らは、内膜症のある女性で精神症状のリスクが疑われる場合は早い段階で確認しておくと対処しやすく、逆に性交痛の緩和は性生活に良い影響をもたらすのでピルの使用は積極的に勧めるべきだと述べています。 参考:Salmeri N, et al. Acta Obstet Gynecol Scand. 2026;105

  • 職域保健の現場から<66>女性活躍推進を支える健康づくり ~子宮頸がん検診受診率向上への挑戦~ ブラザー工業株式会社 保健師 日笠 ちはる

    職域保健の現場から<66>女性活躍推進を支える健康づくり ~子宮頸がん検診受診率向上への挑戦~ ブラザー工業株式会社 保健師 日笠 ちはる

     職域保健の現場で活躍されている方に、さまざまな取り組みをご寄稿いただいている本連載。今回は、ブラザー工業株式会社 保健師 日笠ちはるさんに、社内で展開している子宮頸がん検診受診率向上への取り組みについてご紹介いただきました。ぜひご覧ください。(編集部) 弊社の紹介  ブラザー工業株式会社は、愛知県名古屋市瑞穂区に本社を置く製造業です。約4,000人の従業員(単体)が在籍し、主にプリンター・複合機、産業用プリンター、工作機械などを開発・製造しています。2016年9月に「ブラザーグループ健康経営理念」を策定し、最高健康責任者(CHO:Chief Health Officer)のもと、さまざまな活動に戦略的に取り組んでいます。 女性活躍推進が重要な経営課題の一つとなる中、育児との両立支援やキャリア形成支援に加え、女性特有の健康課題への支援も重要なテーマとなっています。中でも子宮頸がんは20~40歳代の女性に多くみられ、女性のライフキャリア形成に影響を及ぼす可能性のある疾患です。 弊社では女性活躍推進を支える健康施策の一つとして、若年女性従業員の子宮頸がん検診受診率向上に取り組んできました。本稿では、その取り組みを通じて得られた学びや保健師として感じたことをご紹介します。 若年世代の受診率が低いという課題  弊社では、女性の健康支援の一環として、子宮頸がんに関する教育を継続してきました。子宮頸がんに関するセミナーの開催や情報発信に加え、HPVワクチンのキャッチアップ接種対象世代への接種勧奨などを実施しました。しかし、こうした取り組みにもかかわらず、子宮頸がん検診の受診率は期待したほど向上しませんでした。 受診状況を確認すると、年齢層によって受診機会に大きな違いがあることが分かりました。35歳以上の女性従業員は、国が推奨するがん検診を定期健康診断とあわせて受診できる仕組みがあり、比較的高い受診率を維持していました。一方、35歳未満の女性従業員は、医療機関で個別に婦人科検診を受け、その費用を健保が補助する仕組みでした。そのため、自ら医療機関を探して予約し、受診日程を確保する必要がありました。 このような仕組みの違いが、受診率の差につながっている可能性があると考えました。特に若年世代は、業務やプライベートで多忙な時期でもあり、受診のための時間確保や予約手続きが負担になりやすいと考えられます。保健師が面談や健康相談で従業員の声を聴く中でも、「必要性は理解しているが受診できていない」「受診しようと思いながら後回しになっている」といった声が少なくありませんでした。 また、子宮頸がん検診は婦人科で受診する必要があるため、「婦人科を受診することに抵抗がある」「受診するきっかけがない」といった心理的なハードルも、受診行動に影響していると考えられました。こうしたことから、受診率向上には知識や意識への働きかけだけでなく、受診しやすい機会を提供することが重要だと考えるようになりました。 20~30歳代はキャリア形成に加え、結婚や妊娠・出産などライフイベントとも重なる時期です。女性が安心して将来のライフプランを描きながら働き続けるためにも、若いうちから自身の健康に目を向ける機会を提供することが重要であると考えました。 検診の仕組みそのものを見直す  そこで、検診の仕組みそのものを見直すこととしました。従来の医療機関受診方式から、定期健康診断の機会を活用し、子宮頸がん検診を受診できる仕組みへ変更しました。 制度変更にあたっては、健診機関や社内関係部署と調整を重ね、検診枠の確保や運用方法を検討しました。受診に必要な手間をできるだけ減らし、定期健診の流れの中でスムーズに受診できる環境を整えました。  また、新たな仕組みの導入に当たっては、単に案内文を配信するだけではなく、保健師が作成した動画教材を活用して情報提供を行いました。子宮頸がんの特徴や検診の必要性、検査方法などを分かりやすく伝えることで、不安や疑問の軽減を図りました。 受診率向上という成果  35歳未満の子宮頸がん検診受診率は16.6%から54.1%へと大きく向上しました。 この結果から、検診の必要性を理解してもらうことに加え、「受診しやすい環境を整えること」が極めて重要であると改めて実感しました。これまで私たちは、受診しない理由を知識不足や関心の低さに求めがちでした。しかし実際には、受診したい気持ちはあっても、忙しさや手続きの煩雑さ、婦人科受診への心理的な抵抗感が、行動に移す妨げになっていました。 今回の取り組みを通じて、従業員の声に耳を傾けながら課題を整理し、仕組みの改善につなげることの大切さを改めて認識しました。 働く女性の未来を支えるために  女性活躍推進というと、育児支援制度や柔軟な働き方に注目が集まりがちですが、それらの制度を十分に活用しながら長く働き続けるためには、健康であることが前提となります。 産業保健師の役割は、健康問題が発生した後の支援だけではなく、予防的な視点から健康づくりを支援することにあります。今後も、女性一人一人が自身の健康と向き合い、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいきたいと考えています。そして、健康支援を通じて、女性活躍推進やライフキャリア形成を支える一助となることを目指しています。 動画教材の一部

  • 10月10日は「世界メンタルヘルスデー」~厚労省が2026年版特設サイトを開設~

     10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です。1992年に、メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的に定められました。  厚生労働省は2026年7月、「世界メンタルヘルスデー JAPAN 2026 特設サイト」を開設。「つながる、どこでも、だれにでも」をテーマとして掲げ、こころの健康に欠かせない“人とのつながり”を重視した取り組みを実施しています。 詳しくはこちら ▶世界メンタルヘルスデー JAPAN 2026 特設サイト|厚生労働省 新作教材のご案内 マンガだから分かりやすい! ハラスメント啓発・防止のための教材を制作しました。 詳しくはこちら! ▶JFPAオンラインショップ

  • 夏休み明け前後 こどもの自殺防止に対する取り組みを こども家庭庁

     こども家庭庁は、学校の夏休み明け前後にこどもの自殺が増加する傾向にあることを踏まえ、8月20日~9月9日を「こども・若者の自殺対策集中取組期間」として、取り組みの強化を図る。 現在の取り組みとして、不安や悩みを持つこども・若者へ向けたメッセージを届けるカード、ステッカー、ポスターが作成されたほか、夏休み中のこども・若者に向けて「夏休みが終わってほしくない時に見る動画」が公開された。  また、周囲の大人がこども・若者の変化に気付き、声を掛ける、必要な支援につなげる、見守るといった「ゲートキーパー」の啓発動画等を制作するとともに、自治体、企業等への働きかけなども展開するとしている。 ▶詳しくはこちら 「こども・若者の自殺対策集中取組期間」について|こども家庭庁 令和8年度広報啓発活動|こども家庭庁

  • 平均寿命 男女共に延びる ~男性81.35歳 女性87.33歳~

     7月24日、厚生労働省が2025(令和7)年簡易生命表の概況を公表した。  平均寿命は、男性81.35歳(前年から+0.25年)、女性87.33歳(+0.20年)となり、前年度を上回った。男女差は5.98年となり、前年より0.05年差が縮まっている。  前年との差を死因別に見ていくと、男女ともに悪性新生物<腫瘍>、心疾患(高血圧性を除く)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの死亡率の変化が平均寿命を延ばす方向に働き、肺炎、老衰などが縮める方向に働いたと白書は報告している。  なお、国別の比較もされており、女性は世界1位、男性は7位であった。 詳しくはコチラ(別サイトへ移動します) ▶令和7(2025)年簡易生命表の概況

  • 『令和6年度母子保健事業の実施状況等について』公表

     地方自治体における母子保健事業の実施状況の把握や、地域の母子保健事業の推進に活用されることを目的とした「母子保健事業の実施状況等について」がこども家庭庁より公表された。  産後のメンタルヘルスに関しては、EPDS※等の実施状況や9点以上の褥婦の割合の掲載、乳幼児健康診査問診回答状況については、妊娠中の妊婦の喫煙率、かかりつけ医を持っている子どもの割合などが掲載されている。 詳しくはこちらへ(別サイトへ移動します) ▶「令和6年度母子保健事業の実施状況等について」こども家庭庁 ※EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票:Edinburgh Postnatal Depression Scale) イギリスの精神科医John Coxらによって、産後うつ病のスクリーニングを目的として作られた10項目の質問票

  • 『令和8年版こども白書』公表

     『こども白書』令和8年版がこども家庭庁から公表された。 特集では主に三つの取り組みが取り上げられており、児童手当や教育費等の負担軽減についての金銭面を支える仕組み、「こども誰でも通園制度」など多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援、こどもの性暴力をなくすための総合的な取り組みを掲載している。  このほか、こども大綱に掲げた指標をもとにしたこども・若者・子育て当事者に関する各種統計、令和7年度こども施策の実施状況なども紹介されている。 詳しくはコチラへ(別サイトに移動します) ▶令和8年版「こども白書」

  • 2026年版「乳房再建啓発フライヤー」E-BeC

    2026年版「乳房再建啓発フライヤー」E-BeC

    NPO法人E-BeC(エンパワリング ブレストキャンサー)が、2026年版「乳房再建啓発フライヤー」を公表しました(後援:本会、日本乳癌学会ほか)。 E-BeCでは、乳がん検診を受けることの重要性を周知するとともに、もしも乳がんになったとしても、その後に選択肢として乳房再建があり、患者自身が選べるということを啓発する運動をしています。 10月の乳がん月間、また、10月8日の「乳房再建を考える日」の機会に、ぜひお役立てください。 詳しくはコチラ ▶NPO法人E-BeC

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  • 職域保健の現場から<66>女性活躍推進を支える健康づくり ~子宮頸がん検診受診率向上への挑戦~ ブラザー工業株式会社 保健師 日笠 ちはる

    職域保健の現場から<66>女性活躍推進を支える健康づくり ~子宮頸がん検診受診率向上への挑戦~ ブラザー工業株式会社 保健師 日笠 ちはる

     職域保健の現場で活躍されている方に、さまざまな取り組みをご寄稿いただいている本連載。今回は、ブラザー工業株式会社 保健師 日笠ちはるさんに、社内で展開している子宮頸がん検診受診率向上への取り組みについてご紹介いただきました。ぜひご覧ください。(編集部) 弊社の紹介  ブラザー工業株式会社は、愛知県名古屋市瑞穂区に本社を置く製造業です。約4,000人の従業員(単体)が在籍し、主にプリンター・複合機、産業用プリンター、工作機械などを開発・製造しています。2016年9月に「ブラザーグループ健康経営理念」を策定し、最高健康責任者(CHO:Chief Health Officer)のもと、さまざまな活動に戦略的に取り組んでいます。 女性活躍推進が重要な経営課題の一つとなる中、育児との両立支援やキャリア形成支援に加え、女性特有の健康課題への支援も重要なテーマとなっています。中でも子宮頸がんは20~40歳代の女性に多くみられ、女性のライフキャリア形成に影響を及ぼす可能性のある疾患です。 弊社では女性活躍推進を支える健康施策の一つとして、若年女性従業員の子宮頸がん検診受診率向上に取り組んできました。本稿では、その取り組みを通じて得られた学びや保健師として感じたことをご紹介します。 若年世代の受診率が低いという課題  弊社では、女性の健康支援の一環として、子宮頸がんに関する教育を継続してきました。子宮頸がんに関するセミナーの開催や情報発信に加え、HPVワクチンのキャッチアップ接種対象世代への接種勧奨などを実施しました。しかし、こうした取り組みにもかかわらず、子宮頸がん検診の受診率は期待したほど向上しませんでした。 受診状況を確認すると、年齢層によって受診機会に大きな違いがあることが分かりました。35歳以上の女性従業員は、国が推奨するがん検診を定期健康診断とあわせて受診できる仕組みがあり、比較的高い受診率を維持していました。一方、35歳未満の女性従業員は、医療機関で個別に婦人科検診を受け、その費用を健保が補助する仕組みでした。そのため、自ら医療機関を探して予約し、受診日程を確保する必要がありました。 このような仕組みの違いが、受診率の差につながっている可能性があると考えました。特に若年世代は、業務やプライベートで多忙な時期でもあり、受診のための時間確保や予約手続きが負担になりやすいと考えられます。保健師が面談や健康相談で従業員の声を聴く中でも、「必要性は理解しているが受診できていない」「受診しようと思いながら後回しになっている」といった声が少なくありませんでした。 また、子宮頸がん検診は婦人科で受診する必要があるため、「婦人科を受診することに抵抗がある」「受診するきっかけがない」といった心理的なハードルも、受診行動に影響していると考えられました。こうしたことから、受診率向上には知識や意識への働きかけだけでなく、受診しやすい機会を提供することが重要だと考えるようになりました。 20~30歳代はキャリア形成に加え、結婚や妊娠・出産などライフイベントとも重なる時期です。女性が安心して将来のライフプランを描きながら働き続けるためにも、若いうちから自身の健康に目を向ける機会を提供することが重要であると考えました。 検診の仕組みそのものを見直す  そこで、検診の仕組みそのものを見直すこととしました。従来の医療機関受診方式から、定期健康診断の機会を活用し、子宮頸がん検診を受診できる仕組みへ変更しました。 制度変更にあたっては、健診機関や社内関係部署と調整を重ね、検診枠の確保や運用方法を検討しました。受診に必要な手間をできるだけ減らし、定期健診の流れの中でスムーズに受診できる環境を整えました。  また、新たな仕組みの導入に当たっては、単に案内文を配信するだけではなく、保健師が作成した動画教材を活用して情報提供を行いました。子宮頸がんの特徴や検診の必要性、検査方法などを分かりやすく伝えることで、不安や疑問の軽減を図りました。 受診率向上という成果  35歳未満の子宮頸がん検診受診率は16.6%から54.1%へと大きく向上しました。 この結果から、検診の必要性を理解してもらうことに加え、「受診しやすい環境を整えること」が極めて重要であると改めて実感しました。これまで私たちは、受診しない理由を知識不足や関心の低さに求めがちでした。しかし実際には、受診したい気持ちはあっても、忙しさや手続きの煩雑さ、婦人科受診への心理的な抵抗感が、行動に移す妨げになっていました。 今回の取り組みを通じて、従業員の声に耳を傾けながら課題を整理し、仕組みの改善につなげることの大切さを改めて認識しました。 働く女性の未来を支えるために  女性活躍推進というと、育児支援制度や柔軟な働き方に注目が集まりがちですが、それらの制度を十分に活用しながら長く働き続けるためには、健康であることが前提となります。 産業保健師の役割は、健康問題が発生した後の支援だけではなく、予防的な視点から健康づくりを支援することにあります。今後も、女性一人一人が自身の健康と向き合い、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいきたいと考えています。そして、健康支援を通じて、女性活躍推進やライフキャリア形成を支える一助となることを目指しています。 動画教材の一部

各職員おすすめ

2026年版「乳房再建啓発フライヤー」E-BeC

NPO法人E-BeC(エンパワリング ブレストキャンサー)が、2026年版「乳房再建啓発フライヤー」を公表しました(後援:本会、日本乳癌学会ほか)。 E-BeCでは、乳がん検診を受けることの重要性を周知するとともに、もしも乳がんになったとしても、その後に選択肢として乳房再建があり、患者自身が選べるということを啓発する運動をしています。 10月の乳がん月間、また、10月8日の「乳房再建を考える日」の機会に、ぜひお役立てください。 詳しくはコチラ ▶NPO法人E-BeC

各職員おすすめ

こども家庭庁「こども・若者総合調査(令和7年度)」の結果を公表

 こども家庭庁は、全国の10~39歳(令和7年4月1日現在)の男女20,000人を対象に、こども・若者のウェルビーイングに関する調査を行った。本調査は、「人生観・幸福感・居場所等」「他者との関わり方」「社会参加・将来像・自身や周囲の状況」「困難に直面した経験等」「相談・支援」等に関する設問から当事者の置かれた現状を把握するものである。 調査結果では、自己認識や今の幸福感において全年齢層で肯定的な回答が多いものの、孤独感については、「孤独であると感じることがある」者の割合が、年齢が高い方が高くなるといった傾向も見られた(15~39歳:49.8%、10~14歳:24.2%)。 このほか、15~39歳における生活満足度の高さと「尊重してくれる人の有無」「周囲の大人の様子」「自由時間の充足度」「心身の健康」「困難に直面した経験の有無」「安心できる場所の数」「家の暮らし向き」「困難や悩み事の数」との関連性も示している。 ▶詳しくはコチラこども・若者総合調査(令和7年度)|こども家庭庁こども大綱|こども家庭庁