「点字版とマルチメディアデイジー版母子健康手帳で、地域ごとの情報を得るにはどうしたらいいのか」。これは取材していく中で寄せられた声の一つだ。母子健康手帳は厚生労働省発表の様式に基づき、前半(省令様式)と後半(任意様式)の二つに分かれる。
後半は地域ごとの情報をまとめて記載してもいいため、自治体によって内容が異なる場合が多い。そのため、点字版ないしマルチメディアデイジー版となると、後半はそれぞれ自治体の情報に合わせて新たに作成する必要がある。一企業がデータを集めるためには各自治体との連携が必須で、そう簡単にできるものではない。
現状、子育ての情報を視覚障害者が得るには、行政の保健師などからの情報発信に頼るしかない。地域ごとに点字版ないしマルチメディアデイジー版の重要性を再確認し、情報を伝えてもらいたいと思う。
『視覚障害者としてできること、手助けしてほしいこと』は全5回掲載しました。