厚生労働省は、全国のモニター病院および日本中毒情報センターが収集した、2013年度の家庭用品などによる事故を取りまとめた「平成25年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」を公表。調査が始まった1979年度以降、誤飲事故の最多であったたばこを抜き、薬が初めてトップとなった。報告は皮膚障害、誤飲、吸入による事故についてまとめられている。
2013年度の子どもの誤飲事例総数は、531件。年齢の内訳は、6~11か月が最も多く147件、次いで12~17か月が130件、18~23か月が63件、2歳が82件となっている。死亡事例はないが、入院・転科・転院は30件あった。
96件で最多となった「医薬品・医薬部外品」の誤飲は、前年度(57件)より大幅に増加しており、入院となった事例も他製品より多い。「母親がトイレに行っている間に、バッグに入っていた風邪薬を最大で14錠飲み、2日間入院」など、薬理作用による重篤な健康被害が発生した事例も報告されている。
年齢層では、たばこが6か月~17か月児に多いのに対し、「医薬品・医薬部外品」では、自分で容器のふたを開けられるようになる1~2歳が75%を占めていた。
喫煙率の低下によって、たばこの誤飲は減ってはいるものの、依然として多い。誤飲を発見した後の処置として飲料を飲ませる事例が36%あったが、飲料を飲ませるとニコチンが吸収されやすくなり、かえって悪化する場合がある。報告では「たばこを誤飲した場合には、飲料は飲ませず直ちに受診することが望ましい」としている。
厚労省は、「事故は家族が小児に注意を払っていても発生する」とした上で、「小児のいる家庭では、小児の目に付くところや手の届く範囲には、小児の口に入る大きさの物は置かないように」と呼び掛けている。