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一般社団法人 日本家族計画協会

機関紙

<48>中絶を繰り返さぬよう避妊指導を レディースクリニック山田産婦人科(佐賀県鳥栖市) 山田 孝之

2014年03月 公開
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山田氏    

中絶を繰り返さぬよう避妊指導を


 

レディースクリニック山田産婦人科(佐賀県鳥栖市) 山田 孝之

 

OCとの出会い
 私は産婦人科に入局して2年たってから、専攻では婦人科の卵巣を研究テーマとしていましたが、大学の臨床ではわがままを言って、ほとんど産科の仕事をやってきました。出張病院に出向のときは婦人科を診ることが多く、このときに更年期関係が主になり、内分泌、漢方療法、ホルモン療法などを勉強するようになりました。当時は講演会なども出席したかったのですがなかなか機会がなく、机の上での勉強となっていました。大学の教室の教授が代わるとき私も退局させていただき、鳥栖市で開業することとなりました。
 

 もともと開業当初より学会に多く出席することを考えておりましたし、お産を扱っても将来は婦人科に転科していかなければ、年齢的に長く仕事をしていくのは難しいのではないかと思っていました。よりいろいろな知識を吸収するため、広い範囲の勉強が必要だろうと判断し、開業当初の患者さんの少ない時期でも、土曜日曜は代診の先生にお願いし(自分でやらないと経営的には苦しいのですが)、学会に出席していました。
 

 更年期の学会から出発し、次第にこれに関連したいろいろな分野にも枝葉を伸ばし、日本思春期学会、日本子ども健康科学会などにも出席するようになりました。これらの学会に出席するうち、HRTの勉強会、避妊教育の研修会、OC(低用量経口避妊薬、ピル)の研修会などで蓮尾豊先生や北村邦夫先生などにお会いするようになり、蓮尾先生と佐賀県の大隈良成先生から避妊教育ネットワークへのお誘いがあり、参加させていただくようになりました。

 

わが診療所の状況

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産科の診療量風景  

 わが診療所の現在の状況を紹介させていただきます。産科3割、婦人科2割、更年期3割、不妊2割ぐらいの患者さんを診ております。月経不順、月経困難症の治療には対症療法、漢方療法、ホルモン療法を主に行い、機能性子宮出血にはホルモン剤を使用、器質的に原因がある場合は外科的治療を施行しております。
 

 挙児希望の患者さんには食事療法、漢方療法、ホルモン療法、温浴療法などを取り入れ、基礎体温、超音波検査による卵巣の卵胞チェックをしております。
 

 更年期の方々にはまず気長にお話を伺い、それから機能的・器質的変化がないかどうかの検査をし、その結果を見て必要な薬(漢方薬、ホルモン剤、向精神薬、ビタミン剤のサプリメントなど)を処方し、リラクゼーションの指導を行ってフォローしていくようにしております。

 産科的には妊娠経過管理を行っております。その中で、これは当然のことなのですが、妊娠しても産めないという人たちは、人工妊娠中絶という選択肢を選ばざるを得ません。これらの処置を行って、その後繰り返さないように指導する上で、避妊のためのOC、子宮内避妊具を勧めております。
 

 このときに、避妊教育ネットワークのいろいろな先生方の意見を参考にさせていただき、話をしております。しかしこのところ血栓症の問題があり、時間をかけて説明しなければならなくなり、また本人が理解したかどうかも不安になっております。それでもOCは必要なものと考えておりますので、より安全に使用するために、細心の注意を払って処方していきたいと思っております。
 

 今後も避妊教育ネットワークの会合に参加し知識を増やしつつ、自分の微力が役に立つよう、一歩一歩前進して少しでも生涯を通じた女性の健康に貢献できればと考えております。
 


【略歴】
1952年熊本県生まれ。久留米大学医学部卒。久留米大学病院等に勤務後1999年5月より佐賀県鳥栖市にて開業。日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会認定医、日本女性心身医学会認定医、日本性感染症学会認定医、日本産婦人科乳癌学会認定医、日本抗加齢学会専門医など

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