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一般社団法人 日本家族計画協会

機関紙

2012年度(2013年更新)

2013年06月 公開

本会 家族計画研究センター・クリニック  ―2012年度 事業報告―

本会家族計画研究センター・クリニック所長 北村 邦夫

不妊の普及啓発に尽力(東京都委託事業)
  生涯を通じた女性の健康支援事業の一環として、1996年度に「不妊ホットライン」「女性のための健康ホットライン」などが東京都から本会に委託され、 17年が経過した。この17年間に「不妊ホットライン」で受けた相談件数は1万1869件(男性820件、女性1万1049件)。2012年度は377件 (男性38件、女性339件)で、ここ10年間ほど相談件数の減少が顕著であるが、これは不妊カウンセリングに対する治療施設での関心が高まり、開設当初 は本センターに一極集中であったものが、全国各地に分散した結果であると考えている。

  なお、12年9月から「東京都不妊ホットライン」には「不育」が加わり「東京都不妊・不育ホットライン」と名称が変更された。それに伴う不妊に関する普及 啓発事業として、センターでは、小冊子「いつか子供がほしいと思っているあなたへ」の改訂、東京都からの委託事業を紹介する斬新なアイデアを生かした二つ のポスターを作成した。

 小冊子「いつか子供がほしいと思っているあなたへ」は都内の市区町村、保健所、女性センター、大学など293か所に宛て3万1750部を、「女性のための健康ホットライン」のみの紹介ポスター(写真右)は都立高等学校、都立特別支援学校、私立高等学校、私立特別支援学校、大学などに宛て800部を、「女性のための健康ホットライン」と「不妊・不育ホットライン」を紹介したポスター(写真左)は都内の市区町村保健所、保健センター、妊婦健診契約医療機関に宛て891部を配布した。

電話相談は時代を映す鏡
 「東京都不妊・不育ホットライン」について女性からの相談を96年度~00年度(A群4379件)、08年度~12年度(B群1703件)とそれぞれ5年間単位で2群間比較すると、統計的に有意な差が明らかとなった(不明を除く)。
①相談者の平均年齢±標準偏差=A群32・3±4・6歳、B群36・7±5・7歳
②相談者の結婚からの平均年数±標準偏差=A群4・7±3・2年、B群6・4±4・7年
③相談者の避妊なしの期間の平均年数±標準偏差=A群3・5±2・7年、B群4・2±3・9年

 このように、相談者の年齢が2群比較でも4・4年上がっていること、妊娠を試みるのは結婚後で、結婚してもすぐには妊娠・出産を計画するわけではないことなどが分かる。

  さらに、相談内容の2群間比較で直近5年間に顕著に増えているのが「体外受精/顕微授精」「費用」「仕事との両立」「周囲との人間関係」「夫とのこと」 「子どものいない人生」、減っているのが「病院情報」「検査」「薬」「月経・基礎体温」「AIH(配偶者間人工授精)」「不育症(習慣流産)」「治療への 迷い」「不妊への不安」「自分自身のこと」など。「費用」に関する相談が増加傾向にあるのは、04年7月から東京都が「特定不妊治療に係る医療費の助成事 業」をスタートさせ、都民の不妊治療への関心が高まっている結果ともいえる。

 また、ここ数年、「卵子の老化」が話題となっている。不妊の 最大要因として晩婚化・晩産化の影響があるといわれるが、それを正しく認識している女性が少ないことに警鐘を鳴らしたい。「結婚すれば妊娠できると思っ た」という言葉をよく聞くが、本会の不妊関連の電話相談統計を分析しても、相談者の高齢化が目立っており、生殖補助医療による出生児が2%を超えた今日、 「体外受精/顕微授精」などの相談が増えていることは時代の反映ともいえる。

2件の大規模調査実施
 本紙で既報の通り、本センターの事業の一環として「第6回男女の生活と意識に関する調査」(707号に掲載)と「ジェクス・ジャパン・セックス・サーベイ」(709号に掲載)を実施した。以下、調査の概要を中心に紹介する。

 

  本調査は、現在のわが国における性や妊娠、避妊、人工妊娠中絶、少子化などに関する男女の意識と行動がいかなるものかを、さまざまな側面から分析すること を目的として進めてきた。第1回目は2002年で2年ごとに実施し、今回で第6回目を終了した。質問の主な内容は、①日常生活や考え方について、②結婚や 子育ての意識について、③性の意識や知識について、④対象者自身の性行動について、⑤初めてのセックス(性交渉)について、⑥現在の避妊の状況について、 ⑦低用量経口避妊薬(以下、ピル)について、⑧人工妊娠中絶について、⑨国の少子化対策について―であった。本調査の実施に当たり、㈳新情報センター研究 倫理審査委員会に申請書を提出し、8月24日に開催された同委員会において承認されている。

 本調査は個人のプライバシーに十分留意し、層 化二段無作為抽出法という調査手法を用い、12年9月1日現在満16~49歳の男女個人3000人を対象に、同年9月13日㈭~9月30日㈰に実施した。 その結果、長期不在、転居、住居不明によって調査票を手渡すことができなかった者を除く2687人のうち有効回答数は1306人(男性610人、女性 696人)、48・6%だった。回答者の平均年齢は男性34・1歳、女性34・5歳。

 本調査は、本センターがジェクス㈱からの依頼を受け て実施したもので、日本人のセックスに深く迫るために、インターネットを通じて調査を行った。質問の主な内容は、①セックス経験について、②避妊法につい て、③コンドームに対する意識と知識について、④マスターベーションについて、⑤女性が体験するセックス(オーガズム、濡れる、性交痛、潮吹きなど)につ いて―などであった。

 インターワイヤード㈱に委託して実施した本調査は、満20~69歳男女を対象に12年11月30日㈮~12月5日㈬ にインターネットリサーチ(アンケート依頼メールを各回答者に配信しウェブ上で回答してもらう方法)で実施した。調査票配信数は18万2919人、有効回 答数6961人(回答率3・8%)。

 これら大規模調査の結果については、メディアセミナーを開催。「第6回男女の生活と意識に関する調 査」は50人、「ジェクス・ジャパン・セックス・サーベイ」は30人の参加者を集めた。その成果をジャパンタイムズ、朝日新聞、毎日新聞など国内外のメ ディアが大々的に取り上げ注目を集めた。

避妊と性感染症予防セミナー 開始以来延べ106回1万7千人参加

 避妊と性感染症を主テーマにしたセミナーは1999年にピルが承認・発売されたのをきっかけにスタートしたもので、第1回は同年9月5日、ピル発売3日後に日本都市センター会館で開催した。2012年度までに106回を終え、参加者は延べ1万7538人を数えている(表1)。

 また本セミナーは長年にわたって企業の協賛を得て開催してきたが、12年度もあすか製薬㈱、MSD㈱、科研製薬㈱、ジェクス㈱、㈱そーせい、バイエル薬品㈱、富士製薬工業㈱、持田製薬㈱からの事業協賛を得ている。紙面を借りて深謝したい。

緊急避妊法適正使用セミナー 全国6か所で開催
  2011年5月に発売された緊急避妊薬「ノルレボ錠」の適正使用を促すためのセミナーを日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会の後援を得て全国の主要6都 市で開催した。発売初年度には「ノルレボ錠」の作用機序や避妊効果、経費などの質問が多数寄せられていたが、中には、「10代の女性に緊急避妊薬を処方す る際に親の同意は必要ないか」「同意書の法的意義はどうか」など興味深い質問があった。

 これを受けて12年度は、「緊急避妊薬発売から1 年」「緊急避妊薬処方にあたり知っておきたい法律の話」「ECからOCへの行動変容を促すには」をテーマに、東京、大阪、岡山、名古屋、仙台、福岡でセミ ナーを開催した。法律の話は元日本弁護士連合会副会長・たかさき法律事務所の小林優公弁護士を講師に迎え、安達知子総合母子保健センター愛育病院産婦人科 部長からの率直な質問に回答いただく形式で実施した。当日は、11年度に本センターが制作した「きいてきいて〝みんな〟に知ってほしい緊急避妊のこと」な ど各種啓発資材を配布し、使用法などについて解説した。参加者は1038人。

ピル関連相談 「周期調節」などに関心
  本センターがピルに関連した電話相談を開設してから13年が経過している。1999年にピルが承認・発売された翌年度には当時のヤンセン協和㈱(現ヤンセ ンファーマ㈱)からの委託で「ピルダイヤル」を開設。2001年度には当時のワイス㈱による「ピルサポートデスク」、04年度には当時のシエーリング㈱ (現バイエル薬品㈱)による「OCサポートコール」、10年度にはあすか製薬㈱による「OCコール」が加わり、実に13年間にわたりピル相談に当たってき た。この間に受けた相談は7万3057件(図1)。このような地道な努力がわが国におけるピルの普及に何らかの貢献をしてきたことは言うまでもない。

 中でも、「OCコール」については、11年5月の緊急避妊薬(EC)発売以降、「ECからOCへ」を合い言葉に、EC処方施設を求めてくる女性には必ずピル(OC)へと避妊法選択の行動変容を促すなど特徴ある相談事業を展開している。

 「OCサポートコール」は既に9年を経過し相談件数は延べ4万6156件(12年度は6829件)を数えている。この9年間についての傾向を探るために、04~06年度、07~09年度、10~12年度に3分割(A群、B群、C群)した(表2)。その結果、年齢不詳を除く相談者の平均年齢±標準偏差は、A群29・3±7・0歳、B群29・8±7・3歳、C群30・8±7・5歳で統計的には有意に相談者の年齢が上がっていることが分かる。

  増加傾向にある項目は「飲み忘れた場合の対処」「周期調節」など。一方減少傾向にあるのは「副作用」「副作用以外の不安」「薬物相互作用」「禁忌」など。 ピル発売から14年目を迎えているが、「OCサポートコール」の相談内容からみると、「副作用があるのではないか」「他の薬剤との飲み合わせは大丈夫か」 などの不安から、「周期調節」などピルが有する避妊以外の利点に対する期待へと関心が変わってきているように思われる。

電話相談  「思春期・FP」2453件、「女性の健康」448件
 歴史ある「思春期・FPホットライン」と「東京都女性のための健康ホットライン」の相談内容をまとめた(表3)。思春期・FPホットラインの相談件数は2453件。うち、東京都女性のための健康ホットラインは448件。

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