「経済的に自立し、家族計画を推進」 本会が講演
国際家族計画連盟(IPPF)東・東南アジア・大洋州地域(ESEAOR)の事務局長会議とユースフォーラムが7月25日~27日に、地域理事会が28日~29日に、マレーシアの港湾都市マラッカにあるラマダプラザ・マラッカホテルで開催された。
マラッカは歴史的な建築様式や文化遺産がそこかしこに現存していることから、2008年7月に世界遺産に登録されている。本会からは事務局長会議に筆者が、地域理事会には山口(石井)澄江本会理事・公益財団法人ジョイセフ理事長が出席した。
◆今後の戦略的枠組みを議論
ESEAOR事務局からは、2013年に、地域全体ではSRH(性と生殖に関する健康)サービスが年間1850万件行われ、そのうち37・2%が避妊サービスであったこと、40%が若者であったことなどが報告された。
事務局長会議、地域理事会では共に、IPPFが提案する「戦略的フレームワーク2016―2022」を中心に議論が進められた。これは、差別のない世界、全ての人々が性と健康を選択できる力を身に付けることを目標にどう取り組むべきかの枠組みを提示したものである。
その上で、各国の会員組織(MA)として、地域の人々が必要としていることは何か、われわれは何に優れている必要があるか、組織としてどのように変わるべきか、その戦略を遂行するに必要な資金や資源とは何かなどに議論を深めることとなった。
◆若者たちからも提言
各国から参加した若者から事務局長会議へ興味深い提言がなされた。
①全てのMAは30歳以下の若いスタッフをフルタイムであれパートタイムであれ採用してほしい。
②若者向けプログラムの監視や評価に若者を参加させる必要がある。さらに、若者の活動を監視・評価するにふさわしい、スタッフとボランティアのためのトレーニングツールを開発してほしい。
③国家レベルでの理事会理事数の20%が25歳未満の若者となるよう参加を認めよ。
④MAは若者に向けた包括的性教育のカリキュラム作成を各国政府と共同で行うべきである。
⑤MAは若者がSRHR(性と生殖に関する健康と権利)に関する情報やサービスを、差別を受けることなく受けられるクリニックやセンターを確保してほしい。
⑥MAは若者が政府や出資者などとともに若者のSRHRの課題について議論する場を設けるべきである。
◆本会の実践例を講演
事務局長・地域理事合同会議において筆者は、他のMAと共有すべき日本の実践例について講演をする機会を得た。スライドを使いながら、「協会が人間的な家 族計画を推進するためには経済的な自立が不可欠である」との創立者國井長次郎の姿勢を、60年の長きにわたって貫き現在があるとの話をすると、会場からは 大きな拍手が起こった。
なお今回の地域理事会では、代表理事や地域執行理事の選挙が行われ、山口(石井)澄江本会理事が地域執行理事に再任された。(本会理事長 北村邦夫)