2023年4月、私は初めて母子保健事業研修会の運営スタッフに選ばれた。本研修会は日本家族計画協会の中でも特に古い歴史を持ち、6ブロックに分けて全国規模で行う、とても重要な事業だ。その中で私が今回担当するのは北海道地区。この重大な役目を任された時、私の中では2つの感情が渦巻いていた。私にできるだろうかという一抹の不安、そして取り組んだことのない議題に、人と人とのつながり。日々をこなしていく中で、解消されていくのだろうか。
道の担当者と綿密に打ち合わせを重ねて一日の流れやテーマ、講師を、何度も話し合いながら決めていくのだが、本軸をどこに絞るかがとても難しい。今回のテーマは「産前産後ケア」だった。伝えたいのは基礎なのか、実践につながる内容なのかずいぶん悩んだ。講師の経験の中で北海道の課題をどう解消したくて話してもらいたいのか、講義の組み立て方に苦労した覚えがある。当日配るための資料を整え、最後の確認をして、いざ研修会へ。
終わってみればあっという間の時間だった。研修会の案内に不備があり慌ただしい点があったものの、1日目・2日目と講演の流れは一貫した内容を参加者に伝えることができて良かった。
道の担当者や講師と綿密な打ち合わせ、そのための資料をどう見せるかにこだわらなければ今回の研修会の運営はできなかったように思う。この研修会を通して、何を伝えたいかをはっきりさせること、そのための事前準備の大切さを改めて実感した。どの仕事にも通じることなので、この気持ちを忘れず、これからも取り組んでいきたい。 (石本暉乃)