実家の猫がかわいくてたまらな(にゃ)い。
名前はミミ、推定4歳。2年前に保護猫として迎えた三毛柄の女の子だ。白くてふわふわのお腹の毛、ピンク色の鼻と肉球、コロンと寝転がって「なでなで」を要求するあざとい仕草…。帰省するたびにそのかわいさに虜になり、スマホの写真フォルダは彼女で埋め尽くされる。
たまにしか会えない私でさえこうなのだから、当然両親のミミへの溺愛ぶりは半端ではない。私がいつ帰省するかより、ミミの今日のおやつを何にするかの方が重要視されている気がする。
…と、一家の猫愛事情はここまでにして本題を。飼い犬と散歩すると健康になる、とはよく聞くが、猫だって負けたもんじゃないと両親を見ていて気付いた。
とにかく父が変わった。以前は仕事が終わると延々テレビの守りをしていたが、今はきれい好きなミミのため2日に1回は掃除機をかけ、トイレの状態もこまめにチェックし…と活動量が明らかに増えた。また、ミミの写真を撮るためスマホも勉強し、LINEのスタンプを自分で購入できるまでになった。
元々マメだった母はさらに拍車がかかり、ミミのおもちゃや寝床など、あれこれ自作して楽しんでいる。何よりミミの話題でお互い会話が尽きないそうで、日々「ミミが生きがいだ」と話しているらしい(え、私は?)。
私が家を出てからずっと2人で暮らしてきた両親にとっては、「猫を飼う」ことはかなりのチャレンジだっただろう。でも思い切って飛び込んだからこそ、よく笑い、自然によく動き、図らずも健康へとつながっている『今』があると思うと、なんでもやってみないと分からないものだなぁとしみじみ感じる。
いくつになっても大事なことを教えてくれる両親に感謝しつつ、父からLINEで送られてくるミミのピンボケ写真にダメ出しする日々である。 (坂本 智美)