実家には里親として譲り受けた2歳半の成犬がいる。犬種は牧羊犬として有名なボーダーコリー。とてもパワフルで元気いっぱいの女の子だ。
「ただいま!」扉を開けた瞬間、しっぽをブンブン振り回しながら私の体に飛びつき大歓迎の突進を受ける。5分程熱烈に歓迎してもらった後、今度は遊べとおもちゃのひもを持ってくる。ひもをくわえると先ほどまでのかわいい姿はどこに行ったのか、うなりながら目を見開いてひもを引っ張る様子が…(やっぱりかわいい!)。半年前までは綱引きに全勝していたのだが、最近は負けることも多くなった。顎が発達したのもあるのだろうが、それよりも首の筋肉の成長がすさまじく感嘆するとともに可笑しく感じる。
散歩が好きで、「よし、行こうか!」と声を掛けると彼女は待ちきれんと言わんばかりにリビングを5周…10周…周り続ける。車に乗るのも好きで、車のドアを開けると家族の誰よりも早く乗り、私の指定席をとるものだから狭い思いをしながらドライブすることもしばしば。それでもやっぱりかわいいから許してしまうけれども。
近年は行政や保護団体の頑張りで犬や猫の殺処分が減少してきていると聞く。しかしその一方で、ニュースやSNSで残忍な環境に放置された犬猫の話題も耳にする。どのような思考回路をもってしてそのような行動ができるのか。加害者の気持ちを分かりたくはない。
全てのペットが大切にされ、全ての人がペットを大切に、無下にしない未来が訪れることを切に願う。 (黒木奈央)