天馬空 ~JFPA職員のリレーエッセー~
天馬空 ~JFPA職員のリレーエッセー~
第813号

 現在、使用している財布の買い替えを検討している。たくさんのお札を収納するためと言いたいが、そんな現実を私は知らない。ありきたりではあるが、キャッシュレス化が進み現金の使用頻度が少なくなったため、コンパクトな財布のほうが持ち歩く際に便利だと考えたのが本当の理由である。
 ところで、近頃ポイントの上乗せでマイナポイントの話題がニュースをにぎわせている。マイナポイントはマイナンバーカードの普及を目的にした消費活性化政策である。しかし、ポイント目当てに飛びつく浅ましい人間は昨年の時点で既にマイナンバーカードを取得しているはずであり、当然私もその中に含まれている。
 つまらない冗談はさておき、マイナンバーカードの取得を促進するには利便性の向上に注力したほうが効果的ではないだろうか。実は将来予定されているものや検討が行われている段階のものでも「運転免許証の一体化」「診察券の共通化」「スマートフォンへの搭載」「選挙でのオンライン投票」など利便性の高まる計画が多く存在する。他にも行政サービスや納税手続きでの活用がもっと進めば自然に利用者が増えるだろう。
 ここで財布の話に戻るが、コンパクトな財布に移行する際に悩ましい問題となるのがカード類の枚数である。健康保険証や運転免許証、診察券がマイナンバーカード1枚に集約されれば、携帯するカード枚数の削減につながり実にありがたい。それ以外にも、個人的には今後マイナンバーカードの利用が普及して、煩わしい手続きが解消されていくことを大いに期待している。
 しかし、マイナポイントの施策が決定すれば私は手のひらを返し、ポイントの取得手続きを行うに違いない。なんと現金な人間なのだろうか。
 さて、2021年も残すところあとわずかになった。大晦日には除夜の鐘を突きそんな煩悩を取り払って新年を迎えたいと思う。 (森田一樹)



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