仕事柄、最近よく「フェムテック」という言葉を耳にする。フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる製品やサービスを指す。広義には、テクノロジーにとらわれず、女性の健康の向上を目指す製品・サービス・業界カテゴリーなどを示す場合もある。
本会でも広義の意味でのフェムテック製品といえる、女性のデリケートゾーン用保湿液「メノケアモイストゼリー」を20年近く前から発売しており、我々の立場から見ても、女性の健康に寄り添った製品やサービスが充実することはとても良いことだと思う。
しかし、大手企業の参入やベンチャー、スタートアップの登場によって活況を見せても、それらの提供するものがニーズと合致していなかったり、一時的な流行りで終わってしまっては、真に女性のためのそれとは言えない。また、玉石混交でマーケット自体が混沌としてしまうことも望まれるものではない。市場投入される製品・サービスには、これらの課題を乗り越え、将来的に「フェムテック」というカテゴリーにとらわれることなく、当たり前のものとして存在し、定着するまでを見据えた高い志が求められるだろう。
我々も襟を正し、運動目標でもある「全国どこでも、誰でも、リプロダクティブ・ヘルスサービスを受けられる社会を実現する」という信念と責任を持って、良質な製品・サービスを提供・発信し続け、多くの方々の健康に寄与すべく邁進していかなければならない。 (村田晋志)