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海外情報クリップ

【海外情報クリップ】
子宮内膜症と閉経年齢―米国

第833号

大規模疫学調査データから
 子宮内膜症(以下内膜症)と早い閉経(本研究では45歳未満での閉経)は、両者に共通すするリスク因子が多数示唆されており、前者は生殖年齢女性の、後者は全女性人口のいずれも10%と推計されています。米ミシガン州立大学産婦人科の研究グループは、大規模疫学調査のナースヘルス研究Ⅱから、約10万6000人のデータを解析して両者の関連性を検証し、早い閉経、つまり生殖年齢期間(子どもを産める期間)の短縮に最も影響すると考えられる因子を抽出し、内膜症は腹腔鏡(ふくくうきょう)診断例としました。ピルやホルモン補充療法は閉経時期に影響する可能性があるので、これらが開始された時点で追跡打ち切りとして解析しました。
 その結果、内膜症を持つ女性の早い閉経は持たない女性に比べて約1.3倍と有意に高くなっていました。次に、関連する因子として年齢、人種、BMI、飲酒・喫煙、身体活動・野菜摂取・ビタミンD、初経年齢、月経周期、出産歴・哺乳期間、経口避妊薬の使用・非使用、不妊歴―などの影響を検討したところ、出産歴とピルの2つが閉経時期と有意な関連性を示しました。内膜症がなく、早く閉経した場合を1とすると、内膜症で出産歴ありの早い閉経は1.14、出産歴なしの早い閉経は1.46でした。これは、生殖年齢期間を通じて45歳までに閉経を迎える可能性は、お産した女性に対してお産しなかった女性では、より高いことを表しています。
 同様に、ピル使用歴あり1.20、使用歴なし2.03、つまりピルを使用した女性は内膜症があっても閉経が早まる可能性はより低いことを示しています。これを割合で見ると、ピル使用歴のない女性で早い閉経の割合(例数/人・年)約0.4に対し、使用歴のある女性では約0.2とリスクは約半分でした。一方、過去の研究では高いBMIは、内膜症リスクが低く、早い閉経のリスクも低いとされていましたが、本研究ではそのことは示されませんでした。

参考 Kalkarni MT, et al. JAMA Network Open. 2022;5(1)

(翻訳・編集=オブジン)



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