市谷クリニックへようこそ!
市谷クリニックへようこそ!
第819号

 東京都不妊・不育ホットライン 相談員 小林 美貴

 今年度から「東京都不妊・不育ホットライン」の相談時間が火曜日の16時までだったところを19時まで延長、更に月に1度の土曜日の10時~16時が増設されて、今まで時間が合わなかった方からのお電話も受けやすくなったと思います。
 「東京都不妊ホットライン」が開設されたのは1997年。1996年度に厚生労働省が始めた「生涯を通じた女性の健康支援事業」の一環である不妊相談センター事業の開設に当たり、当協会が東京都より委託を受け東京都の相談センターとしてスタートしました。「不妊治療をしても必ず妊娠するわけではない。当事者が求めているのは必ずしも医療相談に限らないのではないか」という本会の北村会長の考えにより、相談員は全員不妊の経験者という特徴をもっています。全国でも当事者相談を行っているのは東京都だけです。(2012年9月より「東京都不妊・不育ホットライン」に名称変更)一方、厚生労働省は令和3年度から「不妊症・不育症ピア・サポーター育成研修等事業」を始めました。その概要では「過去に同様の治療を経験した者による傾聴的な寄り添い型ピア・サポートが重要である」と明記されています。なんと25年も前に「ピア・サポート」の重要性に気付き、当事者相談を始めた北村会長と東京都は、先見の明があったのだと尊敬の念を抱かずにはおれません。
 そのピア・サポートとはどんなものでしょうか。私達相談員が開設当初から大切にしている理念がありますので、ここで紹介させていただきます。

①安心して話せる場の提供(傾聴)
②問題整理のための援助
③自己決定のための援助
④主体的に医療を受けるための援助

 この「四つの柱」を基本姿勢とし、当事者にしか分からない悩みを「実感」として理解し共感できることで、「一緒に」考えながら「寄り添ったサポート」を目指しています。
 では実際に相談員を何年もやっていていつも理想通りの相談ができているかと問われれば、そうでもありませんし「慣れた」と思ったこともありません。相談者さんお一人お一人の人生が違うように、悩みも求めている答えも違います。指示的なアドバイスが欲しい方もいれば、ただ愚痴を聞いてほしいだけの方もいます。相手の顔も表情も見えず、その方が望んでいるものは何なのかを、声の調子や言葉から感じとるしかないので、手探りの部分もあります。日々、努力と勉強の必要を感じます。
 そして私たち相談員の基本姿勢は同じですがやはりそれぞれ別の人間なので、それぞれの個性や努力があります。相談員は何人かおりますので、もし一度お電話いただいて何か違うと思っても、別の相談員が対応すると違った視点でお話しを伺えます。誰かに話すだけで楽になる気持ちもあります。どうぞお気軽に何度でもお電話ください。お待ちしています。


お知らせ

電話・LINE(ライン)相談

  • 東京都不妊・不育ホットライン ☎ 03(3235)7455
    line.png

  • EC・OCヘルプデスク ☎ 03(6280)8404
     ※平日(10:00~16:00)

  • 思春期・FP相談LINE
     line.png

電話・LINE相談員募集!

上記の電話・LINE相談に応じてくださる方を募集中です。平日、市ヶ谷にお越しいただける方、下記まで。
☎ 03(3235)2694

JFPA無料メルマガ登録をお願いいたします!

前の記事へ 次の記事へ

今月のページ

季節号・特集号

連載・コラム

バックナンバー