2021年4月から開始した思春期・FP相談LINEは、相談総件数259件となりました(2021年12月末時点)。この中には、リピーターとして同一人物からの異なる相談や、相談をしたものの返事を待たずにメッセージのやりとりから離脱した方も含まれます。返事を待たずに離脱するケースがあるのは、LINE相談の特徴です。返事を待っている間に解決したのであれば良いのですが、その後が分からないだけにもやもやとした心配の気持ちが残ります。LINE相談では、頂いたメッセージの履歴が残るため、以前にどのような相談をしていたのかさかのぼることが可能となりました。今回はあるリピーターさんとのやりとりからのお話です。
10代後半の女性。ちょうどLINE相談が始まった頃に、彼とのセックスの際にコンドームの裏表を間違え、緊急避妊薬を内服。消退出血がなかなか来ないことに不安を抱き、連絡をくれたのが初回の相談でした。緊急避妊薬を内服後、3週間は出血を待つ時間であることを伝えましたが、よほど妊娠への不安が強かったのか、その後も「不安で仕方がない」「つらい」というメッセージが早朝5時台に届いていたこともありました。LINE相談の窓口が、やり場のない不安を打ち明ける場となっていたようです。やがて、無事に消退出血を迎え、相談員の提案も後押しとなって、低用量ピルの内服が開始されました。
ところが、その後の相談で、緊急避妊を経験した時に妊娠不安に取り乱す彼の様子を見て、今後の関係を見直すきっかけになったこと、そもそもセックスにあまり乗り気でなく、パートナー任せであることがわかりました。「男はセックスのない付き合いは無理だと思う。」と言う彼女に対して、そもそもあなた自身はどう思うのかを尋ね、そして、対人関係において「両者は対等」であること、何事にも互いの「同意」があることが大前提であり、そのためにも自分の気持ちを率直に相手に伝えることも大切だと伝えました。
「ありがとうございました。一つ一つ考えていきたいと思います。」と返信があり、今後に幸あれと願いながら相談を終了…と思いきや。「当時の彼とは別れたものの、隣人からセックスを誘われたがどうしたら良いか」「セックス中に出血した」と定期的に相談は続くのでした。このリピーターさんには、LINEよりも実際に相談員の声が聞ける電話の方が安心できるのではないかと、主旨は異なっていますがEC・OCヘルプデスクへの電話を勧めましたが、残念ながら彼女にとって電話相談はハードルが高いようでした。
LINEと電話ではそれぞれに長所短所がありますが、本会には必要時LINEから電話相談へつなげられるという強みがあります。この強みも生かしながら、今後もJFPAらしいLINE相談の形を相談員一同、模索していきたいと思います。