皆さまこんにちは。
最近コロナ禍で登録者数も増えているというマッチングアプリを利用した被害の相談事例を経験しました。
名付けると、出会い系詐欺とでも言いましょうか。相談者は20歳の女子大学生でした。マッチングアプリでやりとりするうち、LINEのIDを交換しました。気が合うねと話が盛り上がり、「好きだ」と告白をされたのです。告白をされたことが初めてだったということもあり、嬉しくて舞い上がってしまったと、彼女は話していました。
その後、「会いたい」と言われ、彼の最寄り駅で待ち合わせることになりました。彼女自身、人混みが苦手、コロナも心配ということで、プライベート個室もあるネットカフェに行ったそうです。そこで再度告白をされ、身体の関係を半ば強引に迫られ、避妊無しの性行為に至りました。
好きなのであれば、性行為も仕方がないのかと、個室の空間では、あきらめに似た気持ちだったと。
そして、帰り際、彼は手持ちのお金がないので、自転車の駐輪代100円を彼女に貸してほしいと頼み、彼女は100円を貸した上にネットカフェ代金も支払ったといいます。
その経緯を何気なく大学の友人に話したところ、やばいよそれ! と指摘され、その友人がいろいろ教えてくれる中、知識のなかった緊急避妊のことを知り、婦人科に駆け込んできたという経緯です。
緊急避妊が間に合ったことに、ホッとしながら、友人に相談できてよかったこと、その友人には感謝しても余りあることを話しました。
運良く、月経が始まり妊娠は免れました。この先も医療機関と関わりを持てるよう、月経が終わったタイミングで性感染症の検査もするようにアドバイスをしました。
その相手の男性についてお聞きすると、歳は26歳、職業は消防団員と。それしか知らないようでした。
こういったケースの多くは、泣き寝入りがほとんどです。このようなことが、実際に起こっていることを若い世代に伝えていくことが大事なのではと思い、今回話題にすることにしました。
もちろんマッチングアプリで、お付き合い、結婚までいった方もいらっしゃるようですが、いろいろと気を付けるに越したことはありません。
この大学生の場合も、会ってもないのに告白されたこと、彼の最寄り駅に初めてのデートで行かなければならないこと、最初のデートが半個室、そして代金は彼女が払い、そこで避妊なしに身体の関係を迫る、駐輪場代まで貸す。職業は消防団。そもそも消防士ではなく、職業として消防団員でアプリに登録? など
話を聞いていると、私にはたくさんの疑問があるわけです。起こってしまったことは仕方ありませんが経験値の少ない若者は、私が抱いたおかしいな? 変だな? という感覚を抱くには、経験が少なかったのかもしれません。
身体の関係は、男女のコミュニケーションの最終的な手段であり、そこには信頼や相手を思いやる心が存在します。その見極めと、自分自身を大切にすることを忘れないでほしいと思います。
「あなたを大切にする人は、あなたが迷ったり、躊躇(ちゅうちょ)することを、強引に推し進めたりしない」ということ。
このコロナ禍だからこそ、私たち大人は、関わる若者に伝えていきたいものです。
時代の流れに即して、思春期相談もこの春からLINE相談に変わりました。一度他者に問題を投げるのも被害を大きくしないコツです。私たちのLINE相談は、簡単に相談できる、敷居のない窓口です。ぜひ若者に活用してほしいと願っています。