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OC/LEPが私の医師人生をどう変えたか

OC/LEPが私の医師人生をどう変えたか<40>
田舎の地で更なるOC/LEPの普及を目指して

第837号


はまよしレディースクリニック 院長(鳥取県倉吉市) 濵吉 麻里

私自身の月経

 小学5年生で初経を迎えてから、規則的に月経が来ることはほとんどなく、たまに来る月経は痛みが強く量も多いため、月経に対しては負のイメージしかありませんでした。医学部に入学し、その後産婦人科医になってからも、月経に関しての知識には乏しく、鎮痛剤や漢方薬、時には中用量ピルを用いて自分の月経を調節していました。外来を担当するようになっても月経困難症などの患者は少なかったため、あまり症例を経験することはなく周産期分野をメインに外来や病棟業務を行っていました。

OC/LEPとの出会い

 その後、自身の結婚や出産(子ども3人)を経て、これまでのような働き方は難しく、これからの産婦人科医としての生き方を考えるようになりました。その結果、2016年に鳥取県倉吉市に「はまよしレディースクリニック」を開業するに至りました。そして「女性の一生をトータルでケアする地域に密着した女性のかかりつけ医」をクリニックのコンセプトとしました。
 その中で、思春期・性成熟期の女性と向き合うために、OC/LEPは必須のものとなりました。開業までの2年間、これまでほとんど知識が無かったためOC/LEPに関する様々なセミナーに参加しました。また女性のヘルスケアアドバイザーやJFPA思春期保健相談士®の資格も取りました。すでにOC/LEPに積極的に取り組まれている諸先生方のクリニックのホームページも大変参考にさせていただきました。
 こうした中、まずは自分自身がOC/LEPを服用することにしました。今までの月経が嘘だったかのように月経痛、過多月経から解放されたのはもちろん、自分のスケジュールに合わせて月経をコントロールできることが最大のメリットでした。自分自身のこうした経験が、開業後にOC/LEPを普及させていく中で、自信を持って話せる最強の武器となりました。

現在そしてこれからの活動

 私が開業した鳥取県倉吉市は、鳥取県の中部に位置する人口4万人超の小さな田舎町です。どのくらいの女性が来てくれるのかとても不安でしたが、幸いなことに鳥取県内で女性医師が院長のクリニックが他になかったため、鳥取県全域、また隣接する島根県、兵庫県、岡山県の一部からも受診していただいています。OC/LEPを処方する際、OC/LEPの仕組み、効用や副作用、周期投与/連続投与、不正出血などのマイナートラブルなどを説明しますが、患者さんが疑問を持ち帰らないように納得してもらうまで丁寧に説明することを心掛けています。そのため、スタッフの教育には力を入れており、私が学んだことやセミナーで仕入れた情報は確実に伝えるようにしています。そして私が信頼できるスタッフにOC/LEPの説明を任せています。最近OC/LEPを処方するときに感じることは、中高生の親世代の理解度が高まってきたなということです。また、母親自身がOC/LEPの服用歴があることも多く、30歳代の母親の場合は親子で処方している例も増えてきました。
 現在、近くの看護大学や看護専門学校の講義に行く機会があるため、講義内容とは直接関係はありませんが、OC/LEPの話を軽く盛り込んだりもしています。まだまだ数は少ないですが、高校の性教育講演に呼ばれたときにもOC/LEPの話はしっかりさせてもらっています。そうしたことで「先生の話を聞いてOC/LEPを処方してもらおうと思って来院した」という患者も増えてきたように思います。
 このように、診療以外の場でもこれまで以上にOC/LEPを普及させていけるよう今後も取り組んでいきたいと思います。


今月の人

はまよし・まり
2002年、長崎大学医学部卒業。同年、三重大学医学部産婦人科医局へ入局。同大学附属病院、三重県内の関連病院に勤務。08年、鳥取県保健事業団、うつぶき公園クリニックなどで勤務。16年、はまよしレディースクリニック開業。


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