子どもの声を積極的に聴く姿勢が子どもの生活の質(QOL)を向上させる 国立成育医療研究センター
国立成育医療研究センターは、小学校5年生と中学2年生を対象に、新型コロナウイルスのパンデミック下における生活の中、大人が子どもの声を積極的に聴き、取り入れようとすることで 子どもの生活の質(QOL)にどのような影響を与えたかを調査、分析した結果を発表した。
概要は以下の通り。
●養育者と先生の双方からコロナ禍での生活の変化について声を聴かれたと回答した子どもは、QOLが高くなりやすいことが分かった。養育者と先生の、両者がそろうことでQOLへの効果が強まることが示された。
●単に「考えを伝えやすいようにサポートされている」だけでなく、「その考えや気持ちが考慮され、実際に取り入れようとされている」と感じた子どもの方が、QOLがさらに高い。
●52.9%の子どもは「養育者と先生の両方から声を聴かれた」が、24.6%の子どもは「どちらからも声が聴かれていない」と回答。中学生は小学生よりも声を聴かれたと答える頻度が低い傾向が見られた。
研究チームは、「子どもたちが大切なことに声をあげ、その声が十分に考慮されることは、子どもの大切な権利のひとつである。子どもの声を「聴く」際には、子どもから発せられるものをただ受け止めるだけではなく、子どもが気持ちや考えなどを伝えやすいようにその子どもに合った方法でサポートし、その意見が生かされるように一緒に考える姿勢が大切である。」と述べている。
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大人が子どもの声を積極的に聴き、取り入れようとすることで 子どもの生活の質(QOL)が向上することが明らかに ~コロナ禍で「声を聴かれた」と感じた子どもは、QOLが高い割合が約5倍に~ 国立成育医療研究センター