6月26日に開催された厚生労働省の専門家会議は、予期せぬ妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」について、調査研究の一環として、一定の条件を満たす薬局での試験的販売を了承した。期間は今夏から今年度末までとなる見通し。
緊急避妊薬は、性交後72時間以内に服用することで妊娠リスクを低減するための処方箋医薬品。2022年12月末から約1か月かけて国が実施したパブリックコメントでは、約9割が、処方箋がなくても購入できる「スイッチOTC化」を希望する意見であったことを踏まえ、課題点とその対応策について検討がなされてきた。
試験的に緊急避妊薬の販売を行う薬局は、研修を修了した薬剤師が販売することや、プライバシーが確保できる個室などがあること、夜間および土日祝日の対応が可能であること、近隣の産婦人科医やワンストップ支援センターとの連携が可能であることなどの条件を満たすことが求められ、各都道府県に最低1か所設ける。
今回の調査研究は、(公社)日本薬剤師会が委託先となり、(公社)日本産婦人科医会の協力のもと実施され、薬局に対する販売状況の調査、購入者に対するアンケート調査、薬局と連携する産婦人科に対するアンケート調査も行われる。