スポーツ庁は2021年12月24日、21年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)」の結果を公表した。8種目の実技テスト(各10点満点)で算出する体力合計点については、19年度調査と比べ、小・中学生の男女ともに低下した。
調査対象は、小学5年生と中学2年生の男女約201万人。体力合計点の全国平均は以下のとおり。
【体力合計点の全国平均<80点満点>】
小5男子 52.5(2019年度53.6)
中2男子 41.1(同41.6)
小5女子 54.7(同55.6)
中2女子 48.4(同50.0)
実技テスト別では、小・中学生の男女ともに、「上体起こし」「反復横とび」「20mシャトルラン」「持久走」が大きく低下した。
また同調査ではアンケート調査も実施。1週間の総運動時間が420分以上の割合は減少。テレビ・スマホ・ゲームなどの映像視聴時間(スクリーンタイム)は長時間化しており、いずれも男子の方が顕著であった。肥満の割合は、小・中学生の男女ともに増加。特に小学生男女、中学生男子は過去最大の数値となった。
スポーツ庁は、体力低下の主な要因として①運動時間の減少②学習以外のスクリーンタイムの増加③肥満である児童生徒の増加―をあげているが、いずれも新型コロナウイルス感染症の影響を受け、更に拍車がかかったとしている。
また、コロナの感染拡大に伴い、学校の活動が制限されたことで、体育の授業以外での体力向上の取り組みが減少したことも一因とみている。
20年度の同調査はコロナ禍で中止となっていた。