政府は昨年11月26日に令和3年度補正予算案を閣議決定しました。厚労省子ども家庭局関連補正予算案の主なポイントは下記の通りです。 ※詳しい情報は厚労省ホームページを参照。
【関連リンク】 令和3年度厚生労働省補正予算案の概要
○母子保健と児童福祉の一体的提供に向けた支援
602億円(安心子ども基金に計上)
妊産婦や子育て世帯、子どもへの一体的相談支援を行う機関を整備するとともに、子育て家庭への訪問家事・育児支援や、居場所のない子どもの居場所づくり、困難を抱えた妊産婦への滞在型支援等を実施し、包括的な支援体制の構築を図る。
○産後ケア事業を行う施設整備の促進、妊産婦等への支援
53億円
出産後の母子に対して心身のケア等を行う産後ケア事業について、2024年度末までの全国展開に向け、施設整備に係る国庫補助率を引上げ、設置を促進する。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、不安を抱え困難な状況にある妊産婦への相談支援や健康診査を受診しづらい状況にある幼児への支援等を行う。
○虐待防止のための情報共有システムの整備等ICT活用による児童虐待防止対策の強化
76億円(一部デジタル庁に計上)
児童虐待に関する全国統一の情報共有システムの整備を進め、児童相談所・市町村における情報共有や、転居ケース等における対応を効率的・効果的に行う取組を支援するとともに、一時保護の判断に当たり、AIを活用した緊急性の判断に資する全国統一のツールの開発を促進する。
また、子どもや保護者が相談しやすくなるようSNSによる相談体制の構築を行うとともに、児童相談所、婦人相談所等においてテレビ会議やタブレット端末等の活用を促進し、業務の負担軽減・ICT化を図る。
○不妊治療の保険適用の円滑な移行に向けた支援
67億円
令和4年度からの不妊治療の保険適用の円滑な実施に向け、年度をまたぐ一連の治療に対して、経過措置として助成金を支給する。
○「新子育て安心プラン」に基づく保育の受け皿整備・人材確保
515億円
「新子育て安心プラン」に基づき、保育所等の整備を推進するとともに、保育人材の確保のため、ICT化の推進による保育士の業務負担軽減や、指定保育士養成施設に通う学生の修学資金等の貸付原資の積み増しを行う。
※放課後児童クラブの整備の促進やICT化等の推進については、内閣府に計上
○ひとり親家庭等に対するワンストップ相談体制の構築・強化
1.6億円
ひとり親家庭等が必要な支援につながり、自立に向けた適切な支援を受けられるよう、IT機器等の活用をはじめとしたひとり親家庭等のワンストップ相談及びプッシュ型支援体制の構築・強化を図る自治体の取組を支援する。
○ひとり親家庭等の子どもの食事等支援
22億円
子どもの貧困や孤独・孤立への緊急的な対応として、ひとり親家庭等の要支援世帯を対象とした子ども食堂や子ども宅食、フードパントリー等を実施する事業者に対し、中間支援法人を通じ、運営や物資の支援等を行う。
○看護、介護、保育など現場で働く方々の収入の引上げ
1,665億円
保育士等、介護・障害福祉職員を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入を3%程度(月額9千円)引き上げるための措置を、令和4年2月から実施する。
看護については、まずは、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、段階的に収入を3%程度引き上げていくこととし、収入を1%程度(月額4千円)引き上げるための措置を、令和4年2月から実施する。
※保育所等における収入の引上げについては、内閣府に計上
○児童福祉施設等における感染症対策への支援
181億円
職員が感染症対策の徹底を図りながら事業を継続的に実施するため、かかり増し経費や施設の改修費等への補助を行い、保育所や児童養護施設、産後ケア事業を行う施設等における感染防止の取組を支援する。
※放課後児童クラブ等における感染症対策への支援については、内閣府に計上
○社会福祉施設等の耐災害性強化等
241億円
児童福祉施設や障害者支援施設、介護施設等の災害復旧や、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づく耐震化整備、非常用自家発電設備の設置、浸水対策等について支援を行う。