4月30日の厚生労働省「第57回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」と「第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部安全対策調査会」の合同会議において、2020年10~12月の3か月間のHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン定期接種の接種者数推計値が示された。それによると、4価ワクチン(ガーダシル)は7万6000人(この間のひと月あたりの平均は2万5333人)であった。16年12~17年4月(同700人)と比較すると月あたり2万4633人増となる。
接種者数は約1年前から上昇傾向にあり、19年9~12月(同5,000人)、20年1~4月(同6,250人)、20年5~9月(同1万200人)と推移していた。
直近値の接種者数増加の背景として、20年10月に市町村から被接種者へリーフレットなどの情報提供資材を個別送付したことが影響を与えたとみている。
2価ワクチン(サーバリックス)の推計接種者数は、20年10月~12月の3か月間で2,900人(同966人)。20年5~9月(同1,160人)と比較しても同水準だった。
同会議では、20年7月に製造販売が正式承認された9価ワクチン(シルガード9)について、厚労省は現在「予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会」において定期接種化を検討中との報告があった。またメーカーの状況として、定期接種の需要を満たすワクチンを供給するには一定の時間が必要との表明があったと伝えた。