増﨑英明氏
わが国におけるリプロダクティブ・ヘルスの分野において活躍している第一人者に対し、その功績をたたえて贈呈する「松本賞」。その第25回選考委員会が3月18日に開催された。 当日は、選考委員会委員ならびに過去の受賞者から推薦された7個人、1団体について、候補者の功績調書をもとに、厳正な審査が行われ、長崎大学名誉教授の増﨑英明氏(68歳)の受賞が決まった。 これで受賞者数は37名。内訳は医師34名、看護職3名となった。 選考委員会は、木下勝之( 日本産婦人科医会)、小西郁生(日本産科婦人科学会)、吉村泰典(日本生殖医学会)、若槻明彦(日本女性医学学会)、石井澄江(ジョイセフ)、北村邦夫(本会)(敬称略)から構成されている。
増﨑氏は1977年3月長崎大学医学部を卒業後、同大産婦人科医員、83年11月同助手、91年10月から講師、99年6月助教授(当時)を務めた。同年10月にロンドン大学へ留学。帰国後2006年8月に長崎大学医学部産婦人科教授に就任した。現在、同大名誉教授、長崎みなとメディカルセンター副理事長。 専門は胎児学、超音波診断学、臨床遺伝学と幅広い。 日本産科婦人科学会では、理事、周産期委員長、診療ガイドライン産科編評価委員長などを務め、日本産科婦人科遺伝診療学会を設立して理事長に就任したほか、日本人類遺伝学会、日本生殖医学会、日本産科婦人科内視鏡学会、日本胎盤学会、日本産婦人科手術学会など、数多くの学会の 理事や学会長を務めるなど、わが国の医学・医療の推進に多大なる貢献を果たした。 以上、わが国の周産期医療の第一人者としての氏の優れた研究業績と幅広い学識は、学内外に寄与するところが大であり、専門分野である新型出生前診断(NIPT)や周産期医療にとどまらず、生殖医療、腫瘍医学、臨床遺伝、女性ヘルスケアなどの発展に尽くされた功績が高く評価された。