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海外情報クリップ

【海外情報クリップ】
緊急避妊薬の使用理由―韓国

第846号

韓国の実態調査より

 緊急避妊薬(EC)は、無防備な性交後の妊娠を阻止するため、その時にだけ使用する薬です。ですから繰り返して使用しないための対策も必要です。
 韓国ではECの使用率が他国と比べて高いことから、その使用実態を把握するためソウル市のソンギュングァン大学産婦人科の研究者らは、過去6か月に避妊相談をした後に何らかの避妊法を開始した韓国人女性(20~44歳)約1,000人を無作為に選び、避妊の意識や使用した避妊法についてインターネット調査を行いました。
 その結果、約半数の461人にECの使用経験があり、その一番の理由は、ピルを飲み忘れた、行為中にコンドームが破れた、禁欲周期を間違えた、などの「避妊法の不適切な使用」でした。この割合は20代の女性が最も多く(約50%)、40代が最も低くなっていました。2番目の理由は、「避妊しなかった」でしたが、その割合は逆に40代女性が最も多く(約50%)、最少は20代(29%)でした。割合の多さは出産歴有りとも関連していました。ECの処方をもらうときにカウンセリングを受けていない割合は全体で約62%、20代は約70%と高く、また受けてもEC以外の避妊薬をその後開始した割合は約22%にとどまりした。
 EC使用を繰り返さないためには各避妊薬・避妊法の正確な情報が必要です。調査では避妊情報の入手源を聞いています。医療機関またはSNSがそれぞれ約25%、知人またはマスメディアがそれぞれ約20%で残りはパートナーやその他でした。調査結果から得たもう一つ重要な情報は、40代女性のEC使用が多いことです。お産を終えた女性の多くは避妊薬を継続的に使用しないため、意図しない妊娠の割合も35歳以上の女性が最も多く(約30%)、その結果人工中絶の割合が最も多い年齢層となっています。使用意識に頼らない避妊薬、例えばIUDの使用が望まれています。

参考 Lee YM, et al. Frontiers in Endocrinology 2023 Jun.

(翻訳・編集=オブジン)



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