連載「思わず参加したくなる!医療・ヘルスケア企画のコツ
ティーペック(株)広報 大井美深」

第1回 健康無関心層に情報を届ける工夫

イベント、催し物の企画をしたい…と思っても、いざ始めようとするとなかなか難しいモノ。 本連載では、さまざまな企画を立て、運営してきたティーペック株式会社の広報 大井さんに、企画のコツやテクニックをお伝えいただきます。新しいことを始めたいときのヒントになる情報が満載です。ぜひお役立てください。

はじめまして。ティーペック株式会社 広報の大井です。
本連載では、私がこれまで携わってきた医療・ヘルスケア企画をご紹介しながら、企画の作り方・考え方・工夫の仕方などをお伝えしたいと思います。

はじめに
誰でも病気になる可能性がある! 医療ヘルスケア情報を多くの人に届けたい

当社は24時間健康相談、セカンドオピニオン手配サービスやメンタルカウンセリングなどの医療・健康サービスを提供している会社です。

もしものときに役立ててほしい医療・健康サービスや情報は、いざ病気になったときに思い出すためには未病のうちに知っておく必要があります。ただし、医療・ヘルスケア情報は病気に直面している方、興味がある方には届くのですが、いわゆる興味がない無関心層や病気と縁がない世代には届きにくい課題があります。

情報を持っていれば、病気になってしまったときに少しでも不安を和らげ、納得いく治療を選ぶことができるので、多くの方に情報を知っておいてほしいと考えCSR活動として、ヘルスケア情報を届ける活動や企画をしています。

連載第1回となる今回は、参加者に毎年意識させ、楽しんでもらいながら情報提供できる方法を語りたいと思います。

ポイントその1 記念日を制定!

みなさん、「記念日」を知っていますか? 「今日は何の日?」などで出てくるアレです。
「記念日」のよいところは、それを利用した企画が立てやすいことと、毎年記念日に合わせて企画を実施できるところです。 さらに大きなメリットとして、参加者の習慣化があります。毎年決まった時期に企画をすることでリピーターができる、その日に改めて考えるきっかけにしていただくことを狙えます。

記念日の例ですが、健康に関するものでいえば世界的に制定されている
「世界糖尿病デー」(11月14日)
「世界禁煙デー」(5月31日)

そのほか、厚労省が紹介しているものであれば
「歯と口の健康週間」(6月4日~10日)
「自殺予防週間」(9月10日~16日)
…などがあります。

もちろん、既存の記念日を利用した企画もできますが、こんな方法もあります。
あまり知られていないかもしれませんが、日本記念日協会に登録することで個人、企業、団体が記念日を制定することもできます。

<参考>クリックすると外部のページに移動します
厚生労働省2021年度 年間行事予定(週間・月間)
一般社団法人 日本記念日協会

例えば、ティーペックは下記の記念日を制定して企画を実施しています。
せっかくですのでみなさんも、企画を立ち上げるときに記念日を作っちゃうのはいかがですか?
・セカンドオピニオンを考える日(2月14日)
・こころのヘルスケアの日(4月1日)
・電話健康相談の日(10月1日)

ポイントその2 記念日に合わせた公募企画

記念日に照準を合わせたなら次のステップです。
公募企画で、これまでそのテーマについて知らなかった人も引き込んでみましょう。
よくあるカテゴリーとしては、川柳、作文、写真、ポスター、標語、ロゴマークなどがありますが、楽しんでもらうことで一般の方々の参加を促せます。これまで届かなかった層にもアプローチできるのです。

ここで、たくさんの方々に参加いただける公募企画のポイントについて挙げておこうと思います。

●3つの“わかりやすさ”

(1)「何を応募したらいいか」わかりやすい
    一目で簡単に応募できると感じさせるほどの簡単さにしてください

(2)「制限があって」わかりやすい
    300文字の作文、30文字のメッセージなど、制限がはっきりしているとわかりやすさが増します

(3)「3つの例があって」わかりやすい
    応募例を3つ用意しておきましょう。応募者が何をしたらいいのかが一目瞭然になります


●応募方法は広く、対象者がやりやすい方法で

WEB、郵送、SNSなどいろいろな方法を使えるようにしてください。高齢者も考慮して郵送を残しておいた方がいいですし、逆に若い人が手軽にという面でSNSもOKとしておくのをオススメします。こうすることで、健康情報を幅広い層に届けられます。

●応募者は、応募作品がどうなるかも気にしています

応募作品がイベントを経てどうなるかまで記載しておいてください。応募してもらって、はい終わり…ではなく、その作品をコンテンツにすることまで企画で考えます。ポスター、リーフレットに起用、情報サイトに掲載するなど、応募者がわかりやすいように示してください。

実は「公募型企画」には大きなメリットが

メリット1 応募者の理解が深まる

2019年より今まで、ティーペックでは下記のような企画を実施していますが、共通しているのはやはり「一般生活者が応募で参加できる公募型企画であること」です。
・電話健康相談の日…アンケート企画、おすすめ利用方法募集
・セカンドオピニオンを考える日…川柳募集、300文字作文募集、記念日ロゴマーク募集

実際に行ってみて、公募型は大きなメリットがあることが分かりました。
それは「作品を考える作業が発生し、その時間はそのキーワードや情報に向き合う時間になること」です。

例えば、セカンドオピニオン川柳を考えるとき、セカンドオピニオンとは何かを調べ、自分なりに考え、5・7・5にまとめる。
この作業中は自然にセカンドオピニオンについて考えていることになります。
病気に直面しない限り、あまり意識することがないセカンドオピニオン。川柳を利用することで多くの未病の方が考えるきっかけになりました。

メリット2 健康に興味がなくても参加

また、公募企画にすれば、健康には興味はない「公募好き」の方へもアプローチでき、川柳や作文などのカテゴリーで考えると、作文好き、川柳好きの方にも届きます。
この“健康に直接興味があるわけではない方に届く”というのが最大のメリットだと思います。


最後に

「企業・団体の知名度が高くないから応募が集まらない…」と口にする担当者も多いですが、公募ガイドや懸賞サイトなど公募企画を無料で紹介してくれる媒体があり、掲載すると応募は集まります。
企業名があまり一般に知られていないとしても、企画がおもしろく、わかりやすければ応募数は見込める印象があります。
みなさんも、企画をムズカシイと捉えず、いろいろアイデアを出してみてはいかがでしょうか?

<参考>クリックすると外部のページに移動します
公募ガイドONLINE
コンテスト 公募 コンペ の[登竜門]


次回からは具体的な企画をご紹介します。


【著者】大井美深(おおい・みゆき)
機能性食品素材の研究を経て、医療・健康情報の会社で情報サイトの運営、企画、広報を担当。
2019年からティーペック株式会社の広報担当として在籍。記念日を利用したPRのほか、乳がん患者支援団体との協力、エンターテインメントとヘルスケア情報のコラボ レーションなど幅広い活動も行う。
【ティーペック株式会社とは?】(HPはコチラ:https://www.t-pec.co.jp/)
1989年から24時間健康相談など健康サービスを提供。日本最大級のメディカルコンタクトセンターを所有。生命保険会社、企業、健保、自治体向けに健康・メンタル相談、セカンドオピニオン手配サービス、ハラスメント総合プログラム、ストレスチェックなどニーズに合わせたサービスを展開中。

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