妊娠中から考える お産のあとの あなたと赤ちゃんの健康
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●家事●入浴❷産後の健康管理産後に注意したい症状・おなかの痛みが続く・赤い色をした血性のおりものが多く出る・トイレが近く、排尿時に痛い・38度以上の熱が続く・乳房が痛み、熱感を持ったしこりがあるこのような症状がある場合は、速やかに産婦人科医の診察を受けてください。むしろ早めに床を離れて日常生活に戻る方がよいとされています。経過に異常がない限りそのようにして、体の回復を促進しましょう。ただし無理はせず、時には椅子やソファなどで体を休めることが必要です。無理をしないでできることは退院後すぐに始めて構いませんが、長時間の立ち仕事は避け、徐々に増やしていくようにしましょう。産後4週間を過ぎるまではシャワーや掛け湯とします。その後の健診で異常がなければ湯船につかっても差し支えありませんが、子宮の炎症や乳腺炎の予防のため、清潔なお湯を用いましょう。産後は自分自身の体の回復を図るとともに、育児という新しい仕事が増える時期です。家族と協力しながら、十分な休養とこころ(心)の安定を心掛けることが大切です。施設によって差はありますが、出産後、およそ4〜7日で退院となります。家に帰ってからは、体の回復に合わせて少しずつ日常生活に戻していきましょう。以前は、産後はほとんど寝ていて3週間後に布団を片付ける「床■上■げ」という習慣がありましたが、最近は離床と家事 ■    3産後から数日の間、一時的に気持ちの揺れが激しくなることを、「マタニティーブルーズ」と呼びます。あくまで一時的なもので、新しい生活になじんでいくうちに、自然に解消されていきます。周りの人にも理解してもらい、あまり気にしないように過ごしましょう。一時的ではなく、長期にわたって気分の落ち込みが深刻になるのが「産後うつ」です。産後うつは心の病気ですので、不安や緊張、不眠や気分の落ち込みが続くようなら、病産院や保健センター、こども家庭センター等に相談しましょう。早期に相談すれば、回復も早くなります。産後の育児については、できるだけ妊娠中からパートナーや両親と相談し、計画を立てておきましょう。パートナーにはできるだけ育児休業をとってもらい、お母さん一人で抱え込まないようなプランが理想です。また、病産院などでは産後2週間と1か月の健診はもちろん、産後ケアのサービスを行っているところもあります。お住まいの地域の病産院や保健センター、こども家庭センター等で受けられるサービスを、前もって調べておくと安心です。産後の母体やホルモンバランスの変化とともに、心も変化します。さらに赤ちゃん中心の生活になることで、知らず知らずのうちに緊張を感じ、心が疲れてしまうことも。産後は体だけでなく、心の健康にも注意が必要です。一人で抱え込まないで!マタニティーブルーズ産後うつ産後のメンタルヘルスにも要注意

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