予防接種のすすめウイルスや細菌によって引き起こされる感染症で、重い後遺症を残したり、命を落としたりすることもあります。生まれたばかりの赤ちゃんはママからもらった免疫に守られていますが、成長するにつれ、その力はだんだん弱まっていきます。感染症は発病すると重症化するものが多いため、予防接種によって得た免疫力で予防する方法が有効です。ママから受け継いだ免疫から予防接種による免疫にスムーズにバトンタッチできるように、赤ちゃんにはできるだけ早い時期に免疫をつけてあげることが大切です。●予防接種の種類予防接種はワクチンを用いて、ウイルスや細菌への抵抗力をつくります。ワクチンには感染症の原因となる病原体を無毒化した不活化ワクチンと、毒性を安全域まで弱めた生ワクチンがあります。また接種方法は、スタンプ(BCG)、経口(ロタウイルス)のほか、多くのものが注射ですが、必要に応じて同時接種を行うことができます。●予防接種の回数と時期各ワクチンには必要な接種回数、接種に適した時期、次の接種まで空けなくてはいけない期間などが定められています。生後6か月までは特にワクチンの種類も回数も多いので、効率的なスケジュールを組んで接種を進めていかないと、必要な予防接種を全て終えることが難しくなってしまいます。主な予防接種は生後2か月から受けられるので、それよりも前にかかりつけの小児科医を決めて、スケジュールを相談しておきましょう。予防接種の意義 妊娠・出産を無事にのりきって、かわいい赤ちゃんを前に“しあわせいっぱい”の毎日と存じます。 この小冊子は、そのような方々のために、特に産後の「母性保健」「家族計画」に重点を置き、日本産婦人科医会のご協力により、 田中 政信 先生 (東邦大学医療センター大森病院産婦人科元教授) 安達 知子 先生 (母子愛育会総合母子保健センター愛育病院名誉院長)にご指導いただき、 石渡 勇 先生 (日本産婦人科医会会長)に監修をお願いいたしました。 この小冊子を産後の生活の手引書としてご活用いただき、明るい健康な家庭をおつくりになられますよう、祈念いたします。一般社団法人 日本家族計画協会代表理事理事長 三橋 裕行(2020年10月1日より) 次の接種まで最低必要な間隔種類不活化ワクチン制限なし生ワクチン4週間主なワクチン日本脳炎、DPT-IPV四種混合(ジフテリア/百日咳/破傷風/ポリオ)、ヒブ、小児肺炎球菌、インフルエンザ、B型肝炎BCG(結核)、MR(麻疹/風疹)、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルス(病原体を無毒化したもの)(毒性を弱めたもの)26おわりにワクチンのタイプ
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