IUD(子宮内避妊具)は、避妊目的で子宮の中に入れる小さな用具のことです。近年、プラスチックの軸部に細い銅線を巻き付けた銅付加IUDと、黄体ホルモンが付加されたIUS(黄体ホルモン放出子宮内避妊システム)があります。IUDは精子の運動力を抑えて、子宮から卵管への精子の進入を防ぎ、また子宮内の環境を変えることによって受精卵の着床を妨げることができます。特に銅付加IUDはその作用が強まると考えられています。ただし日本では、銅付加タイプのものは2023年に生産が中止し、2024年以降市場で手に入らなくなってきます。一方のIUSは、毎日少量の黄体ホルモンが放出されて子宮内膜に直接作用し、子宮内膜の増殖を抑えて受精卵が着床するのを妨ぎ、また精子の子宮内への進入を防ぎます。この黄体ホルモンは血液中にはほとんど移行しないため排卵はほとんど抑制されず、全身への影響もほとんどありません。IUD・IUSなんでもQ&A外国では、35歳以上の喫煙者がピルを服用した場合、たばこを吸わない人よりも心筋梗塞が起こりやすいという研究結果が発表されています。従って、ピルを利用するのであれば、たばこはやめた方がよいでしょう。そもそもたばこは、体に悪い影響を与えるものです。ピルには母乳の分泌を抑制する働きがあるため、母乳が出にくくなることがあります。そのため、授乳を続けるなら産後6か月間はピルを使わない方がよいでしょう。しかし混合栄養の場合やピルでの避妊がどうしても必要な場合は、産後6週間後からなら使用できます。ピルの主成分である黄体ホルモンと卵胞ホルモンの作用により、月経困難症や過多月経、月経不順などが改善されます。これは、ピルの服用で排卵が抑制されることで、子宮内膜の増殖が妨げられ、子宮内膜が剝がれ落ちるときの出血量や、子宮の収縮が減少するためと考えられています。また、ピルの服用で月経周期が規則的になるので、月経不順の人は周期が安定します。ホルモン量が一定のタイプなら、月経の開始日を2〜3日後ろへずらしたいときに利用することは可能です。しかしホルモン量を段階的に変えたタイプでは、残った分で避妊効果が減少したり、また偽薬の可能性もあるので捨ててください。ピルは本来、正しく飲んで初めて効果が発揮されるものであることを忘れないでください。ピルは性感染症の予防薬ではありません。感染の危険が少しでも予測されるときは、コンドームとの併用などで感染を予防しましょう。服薬を中止してすぐに妊娠しても全く問題はないので、特に期間を設ける必要はありません。3か月以内に90%の人に排卵が回復するといわれてます。たばこを吸っていますが、ピルは使えますか。授乳中にピルを飲んでもよいですか。ピルを飲むと月経異常がよくなるのですか。飲み忘れて余ったピルはどうすればよいですか。ピルでエイズなどの病気の予防はできますか。次の子どもを望むときは、ピルを中止してどのくらいの間を置けばよいですか。開放型開放型(銅付加)開放型(IUS)IUD・IUSの種類17AQAQAQAQ AQAQ
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