妊娠中から考える お産のあとの あなたと赤ちゃんの健康
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●服用のポイント低用量ピルは、毎日規則正しく飲まなければなりません。毎日忘れずに飲む秘訣は、時間を決めて(歯磨き後や就寝前)飲むことです。飲み始めの時期に吐き気を感じることがありますが、体が薬に慣れることにより間もなく治まります。また、月経の出血期間が短くなったり出血量の減少が見られても、心配いりません。その他、服用前にはなかった頭痛やめまい、視野の異常、強い胸痛や腹痛、脚がつる、激しいふくらはぎの痛みなどの症状があるときは血栓症発症の可能性があるので、すぐに医師に相談しましょう。ピルを処方する医師の指示に従い、定期的な診察も忘れずに受けましょう。ピルを飲んでいたのに避妊に失敗した例は、そのほとんどが飲み忘れによるものです。万一飲み忘れた場合(偽薬を除く)、気付いた時点で直ちに飲み忘れた分の錠剤を服用し、その後の錠剤も通常通りに服用します。3日以上連続して飲み忘れた場合は服用を中止し、次の月経を待って新しいシートから飲み始めます。次の月経まではコンドームなどの使用を心掛けてください。新しいシート開始7日間の間に3錠の飲み忘れ、性交があった場合は、緊急避妊法(19ページ参照)が必要となり、また、その後7日間は他の避妊法の併用が必要です。(例)一相性ピル三相性ピル偽薬(休薬)偽薬(休薬)黄体ホルモン卵胞ホルモン● 一相性ピル 1シート中の各錠剤に含まれるホルモン量が全く同じタイプ。● 三相性ピル  1シート中で三つの段階にホルモン量を変えているタイプ。この中にはさらに中間にホルモン量を多くしたタイプと、段階を追うごとに量を増やしたタイプがあります。低用量ピルには、1シートに21錠のタイプと、28錠のタイプの2種類があります。21錠タイプは全てホルモン剤ですが、28錠タイプは飲み忘れを防ぐ目的でホルモン剤の入っていない(偽薬)7錠を加えて28錠にしています。低用量ピルの種類には錠剤数の違いに加え、ホルモンの量をより少なくするために、3段階に変えたもの、黄体ホルモンの作用をより強力にしたものが開発されています。     ■ 月経血量を少なくし、鉄欠乏性貧血の予防や改善の効果をも■ 月経痛が軽くなる■ アクネ(にきび)を軽快させる■ 異所性妊娠(旧 子宮外妊娠)を減らす■ 子宮体がんや卵巣がんの発生率を減らす月経が規則正しく起こるたらすがんの発生リスクを減らす効果はピル中止後も続く■ 女性のがん死亡率1位の大腸がんの発生率を減らす内の人低用量ピルの種類16ピルの避妊以外の利点■ 月経が不規則だった人も、ピルにより月経周期が整えられ、ピルが向かない人■高血圧、心臓、肝臓、腎臓に病気のある人■血栓症になったことのある人、血栓症の素因のある人■予定手術(腹部手術や整形外科手術など)の周辺期■原因不明の性器出血のある人■性器や乳房に悪性腫瘍の疑いのある人■ 35歳以上のヘビースモーカー(1日15本以上)■妊娠中あるいは妊娠の可能性のある人■産後3週間以内の人■ 赤ちゃんに母乳を飲ませ、継続する意思のある産後6か月以

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